経営の健全性・効率性について
本年度より簡易水道事業への変更認可を行った為、昨年度までの値と比較し分析する。経常収支比率は、令和元年度に対して経常費用(業務及び総係費)が減少した為、前年度109.64に対して12.7ポイント上がっている。累積欠損金比率は、営業収益(経常収益)が減少傾向であるものの0%を維持している。流動比率は、前年度に比べ利益の増加に伴い流動資産(預金)が増え、流動負債(未払金)も減少した為、昨年度1059.24に対し331.31ポイント増加した。企業債残高対給水収益比率は、浄水場更新事業に伴う企業債借入を行った為、昨年度190.03に比べ146.51ポイント増加している。料金回収率については、新型コロナウイルス感染症対策として水道料金の減免を行った為、給水収益が20.3ポイント減少したので、前年度107.8より11.96ポイント減少しているが、交付金による他会計補助があった為、経常収益としては0.7ポイントの減少、また経常費用は11.0ポイント減少となっている。給水原価は、年間総有収水量が1.9ポイント減少したものの、経常費用が減少した為、前年度より13.46ポイント改善している。施設利用率は人口減少による有収水量の減少に伴い、全体的に減少傾向で推移している。有収率は5ヶ年平均92.1%であり、年約0.3ポイントずつ減少している。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は平成28年度より毎年平均約1.6ポイント伸びており、60%を超えている状況である。令和2年度においては、管路の更新を行っていない為、管路更新率は0%となっている。給水区域内における総管延長約38kmにおいて、管路経年化率が50%を超える現状を踏まえ、計画的に老朽管の布設替えを行っていく。
全体総括
現在のところ経常収支比率及び料金回収率は100%以上あり、黒字会計により経営しているが、給水人口の減少に伴い収益が減少していくものと思われる。今後は浄水場の施設更新事業及び老朽管の更新に伴う投資額の増加を含め、長期的な運営計画を検討し、健全な経営を目指していく。