経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は110.08%で、類似団体平均値、全国平均を若干上回る水準であり、現状では経営は比較的安定していると思われる。④企業債残高対事業規模比率は、全国平均と比べると大きく上回っている。これは、本市の大部分の管渠整備を平成3年度以降に実施したためであり、企業債残高は依然として大きな負担となっている。⑧水洗化率は、99%を超えており、類似団体平均値及び全国平均を上回っている。このため、⑤経費回収率は、類似団体平均値及び全国平均を上回る131.09%の数値を示しており、⑥汚水処理原価は、当市の汚水処理原価が99.85円と類似団体平均値及び全国平均を大きく下回っていることに繋がっている。なお、⑦施設利用率が平成29年度に大幅に減少しているのは、算定の対象となる処理水量から流域下水道に係るものを除くように改めたためである。
老朽化の状況について
②管渠老朽化率及び③管渠改善率について、本市の数値は0%である。これは本市の公共下水道の供用開始が昭和61年度であり、管渠の耐用年数である50年が到来していないためである。本市の管渠整備の大部分は平成3年度以降に行われ、管渠の老朽化はあまり進んでおらず、最古のものでは40年経過しているものもあるが、老朽化調査の結果からもまだ更新が必要ではなく、現時点においては早急な管渠の更新の必要性が少ない。一方で管渠以外の処理場、ポンプ場については更新時期を迎えており、現在は部分的な更新を行っている。
全体総括
平成27年10月に大型商業施設が開業し、下水道使用料が一時的に増加したが、人口減少の傾向もあり、今後も有収水量の減少が予想されている。一方で、管渠整備事業の大部分を平成3年度から平成13年度の短期間に実施したことから、起債の償還が多額であり、償還額が減る令和10年度辺りまでは非常に厳しい財政状況が続くこととなる。今後は、管渠の更新時期を集中させないよう、計画的に管渠の更新を実施していく必要があり、令和元年度に策定したストックマネジメント計画においても、下水道施設全体の将来にわたる改築需要を勘案しつつ、維持管理・改築・修繕の最適化を図る旨を明記している。なお、老朽化が進む処理場については、処理区統合を行い、流域下水道で広域処理を行うことにしているため、必要な管渠等の整備が出来次第廃止する。
27:大阪府
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2023年度
末端給水事業
公共下水道