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2013年度
2012年度
2011年度
2010年度
人口の推移
財政比較分析表(2018年度)
財政力
財政力指数の分析欄
平成30年度において基準財政収入額は9,502,854千円(+210,387千円)、基準財政需要額においては12,781,683千円(+7,888千円)となり、財政力指数としては前年度と同数値となった。本市の基準財政収入額はピーク時である平成10年度で約96億円だったのに対し、平成22年度に約83億円まで落ち込んだが、平成27年度以降は90億円以上で推移している。今後も市税の公平かつ適正な賦課及び徴収による歳入の確保に努める。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
経常経費充当一般財源等では、主に扶助費で79,344千円、物件費で45,703千円増加したものの、公債費171,659千円及び補助費等69,327千円それぞれ減少し、全体で42,992千円減少した。経常一般財源等では、地方交付税が普通交付税で、対前年度比185,189千円減となり、歳入全体では、338,325千円の減少となった。これらの結果、平成30年度では96.0%となり対前年度比1.7ポイントの悪化となった。今後も硬直した財政状況が続くことが想定されるため、引き続き事業費の圧縮等に努める。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
全国平均・大阪府平均・類似団体内平均値に比べていずれも下回っている。人件費については、職員数の削減、職員給与の抑制や各種手当等の見直しによるものである。今後も引き続き、この水準を維持するよう職員数の適正な管理に努めるものである。物件費については、今後も事業費の圧縮に努める。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
平成25年度(平成26.4.1現在)以降は96ポイント台を推移している。平成30年度は96.5となった。また平成26年度(平成27.4.1現在)以降、全国市平均、類似団体内平均値を下回っている。今後も引き続き給与の適正化に努める。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
業務の民間委託推進、勧奨退職の実施(平成20年度まで)、団塊世代の大量退職への補充の抑制、技能労務職員の退職不補充などにより職員数を削減しており、全国平均、大阪府平均及び類似団体内平均値すべてにおいて、下回っている。また、採用については、今後の職員構成を鑑み、平準化を図っているところである。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
実質公債費比率は平成21年度から起債許可基準である18%を超過していたが、平成28年度から起債許可基準を下回っている。しかしながら、全国平均・大阪府平均を大きく超えている。これは、過去に実施した普通建設事業や職員退職手当の財源として多額の地方債を発行したことが高い要因となっている。今後も地方債を財源とする事業については、その必要性等を検討したうえで実施しなければならない。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
将来負担比率は68.2%と対前年度比-23.6ポイントとなり、7か年連続で改善した。これは地方債現在高が減少していることや、土地開発公社の保有土地の買戻しを行ったことによるものであるが、依然高い数値を示している。今後も地方債を財源とする事業については、後年度の公債費負担を考慮のうえ、可能な限り発行額の抑制に努めていかなければならない。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)
人件費
人件費の分析欄
経常収支比率に占める人件費の割合は、全国平均・大阪府平均・類似団体内平均値いずれにおいても下回っている。前年度と比較すると0.5ポイント増加しているが、これは職員数増による職員給、共済費の増によるものである。
物件費
物件費の分析欄
平成30年度は平成29年度から0.5ポイント増加した。これは旧市民会館の解体工事費や消防庁舎の解体工事費が大幅に増したことによる増加である。全国平均・類似団体内平均値と比較すると下回る水準で推移しているが、事業費の抑制などにより、今後も例年の水準を維持できるよう努めていかなければならない。
扶助費
扶助費の分析欄
扶助費については、大阪府平均と比較すると下回ってはいるものの、類似団体内平均値・全国平均と比較すると上回っている。この要因としては子ども医療助成や障がい者総合支援費関連の上昇が著しいためである。施設型給付費等に係る扶助費の増加傾向は、今後も続くと見込んでいる。
その他
その他の分析欄
その他について、平成30年度は類似団体内平均値と比較して6.2ポイント上回っており、これは繰出金が主な要因となっている。繰出金のうち下水道事業に対する繰出が多額であること、また、近年では介護保険事業特別会計や後期高齢者医療特別会計(後期高齢者医療広域連合への負担金含む)への繰出金が毎年増えており、繰出金に係る経常収支比率は、今後もこの水準が続くものと考えられる。
補助費等
補助費等の分析欄
平成30年度は全国平均、類似団体内平均値を下回る結果となった。平成28年度から引き続きほぼ横ばいである。平成27年度と比べ減少している要因は、病院事業会計への繰出金が10億円超で推移していたが、平成28年度以降は約8億円となっていることが要因である。
公債費
公債費の分析欄
平成30年度は、類似団体内平均値と比較して1.5ポイント上回っている。これは、過去に大規模な普通建設事業を短期間に実施したことや、退職者の増加に伴い退職手当支払額が増加し、これらの財源として地方債を発行したことによるもので、経常収支比率を押し上げる最大の要因となっている。今後も厳しい財政状況が続くことが予想されることから、地方債の発行にあたっては、基準財政需要額算入の有無も検討したうえで、発行を可能な限り抑制していく。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費を除いた経常収支比率は、平成30年度において、全国平均、大阪府平均及び類似団体内平均値いずれにおいても上回る結果となった。本市の経常収支比率は、非常に硬直した状態である。各性質別経費の項目で述べているとおり、経常収支比率の数値は現状の水準で推移する見通しではあるが、今後の地方債償還終了による公債費の逓減と特別会計、企業会計の収支改善に伴う繰出金の減額を待たなければ、その改善は極めて厳しいと考える。当面の間は現状の水準から悪化しないように努めるものとする。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
議会費
労働費
消防費
諸支出金
総務費
農林水産業費
教育費
前年度繰上充用金
民生費
商工費
災害復旧費
衛生費
土木費
公債費
目的別歳出の分析欄
●議会費は、全国平均・大阪府平均・類似団体内平均値のいずれにおいても上回る結果となっている。●総務費は、平成29年度に比べ増加となった。これは財政調整基金への積立、人件費、ブロック塀改修工事に係る市有施設整備事業が主な要因である。●民生費については、性質別分析でも記載のとおり、障がい者総合支援給付費などの扶助費が増加しているものの、認定こども園施設整備事業及び臨時福祉給付金事業の減により減少した。なお、大阪府平均に比べると低い結果となっている。●衛生費は、平成29年度から平成30年度にかけてほぼ横ばいであるが、全国平均を下回る結果となった。●土木費は、下水道事業特別会計繰出金事業の増があったものの、泉大津市営住宅整備基金積立事業や、南海本線連続立体交差事業の完了に伴う減となったこともあり、平成29年度に比べると減少し、全国平均・大阪府平均・類似団体内平均値をいずれも下回った。●消防費は、消防車両管理事業の増があったものの、通信設備管理事業及び消防庁舎施設整備事業が減となったこともあり減少し、全国平均・大阪府平均・類似団体内平均値をいずれも下回った。●教育費は、全国平均・大阪府平均・類似団体内平均値のいずれにおいても下回る結果となった。これは、小学校施設整備事業及び臨時職員配置事業の減が要因となっている。今後は施設の老朽化による改修等もあり、コストの上昇が見込まれる。●災害復旧費は、台風21号による被害を受けた畦田公園施設や池上曽根弥生学習館等の災害復旧事業による増である。●公債費については、ゆるやかに減少しているものの、類似団体内平均値を上回っており、依然として高い水準となっている。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)
人件費
補助費等
災害復旧事業費
投資及び出資金
物件費
普通建設事業費
失業対策事業費
貸付金
維持補修費
普通建設事業費(うち新規整備)
公債費
繰出金
普通建設事業費(うち更新整備)
積立金
前年度繰上充用金
性質別歳出の分析欄
●人件費は全国平均・大阪府平均・類似団体内平均値いずれも下回っている。平成29年度に比べ増加している要因は、職員数の増に伴う職員給、共済費の増によるものである。●物件費は上昇傾向ではあるが、全国平均・類似団体内平均値を下回っている。平成29年度に比べ増加の要因は旧市民会館や消防庁舎の解体工事費の増である。●扶助費は障がい者総合支援給付費等が増加していることも全国平均・類似団体平均値を上回る要因のひとつであるが、大阪府内平均が全国平均を上回っていることからも、大阪府内においては、全国的に見ても扶助費が高い傾向にある。今後も社会保障経費の増加が見込まれている。●補助費等は全国平均・大阪府平均・類似団体内平均値をいずれも下回った。平成30年度においては、泉北環境整備施設組合負担金(清掃分)の減少があったためである。●普通建設事業費は泉大津駅西地区周辺整備事業や、文化財保存事業での史跡地用地購入の増があったものの、新消防庁舎の整備事業費の減などにより、減少となった。●公債費については、平成29年度に引き続き、ゆるやかに減少しているものの、類似団体内平均値を上回っており、依然として高い水準となっている。●積立金については、都市施設整備基金、泉大津市営住宅整備基金、及び公共施設整備基金への積立が減ったことにより、減少となった。●繰出金については、平成29年度に比べて増となっている。下水道事業特別会計への繰出金が依然大きいことも要因であるが、国民健康保険事業特別会計や介護保険事業特別会計への繰出が増加していることにより、全国平均・大阪府平均・類似団体内平均値のいずれよりも高くなっている。
実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)
分析欄
本市は平成10年度普通会計決算で実質赤字を計上し、平成14年度決算で準用再建団体に転落寸前となった。その後、平成16年度では黒字に転換し、以後13年連続黒字を堅持している。一方、平成21年4月に「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」が全面施行され、一般会計だけでなく、特別会計・企業会計を含めた市全体の収支で、財政の健全度合いをはかることとなった。これにより、特別会計・企業会計で実質赤字(資金不足)を抱える会計について、実質赤字(資金不足)を縮小させつつ、一般会計等が赤字とならないような財政運営を行っているところである。平成30年度は、実質収支額(標準財政規模比)が2.04%の黒字を計上しており、今後も引き続き黒字を堅持するよう財政運営に努めるものである。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)
分析欄
連結実質赤字については、平成24年度決算において赤字の解消を果たしたところである。しかし、これは一般会計等の黒字や水道事業会計の資金剰余によるところが大きく、平成29年度までは駐車場事業特別会計において、未だ赤字(資金不足)を計上していたところである。平成30年度決算においては、まず国民健康保険事業特別会計については、平成30年度からの制度改正に伴い、平成29年度に引き続き赤字解消となった。駐車場事業特別会計については、平成30年度に特別会計が廃止され一般会計へ編入した。また、病院事業会計が平成29年度に引き続き本年度も赤字となった。引き続き各会計における健全化の取組を行うとともに、全会計の黒字化を果たすよう努めるものである。
実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄
実質公債費比率は平成21年度決算から起債許可基準である18%を超過していたが、平成28年度から起債許可基準を下回り、平成30年度は11.9%となった。分子を項目別に見ると、算入公債費等はほぼ横ばいである。元利償還金等は平成29年度よりさらに減少し、実質公債費比率における分子全体としては着実に減となっている。しかしながら、過去に実施した普通建設事業の財源及び職員の大量退職に伴う退職手当の財源として多額の地方債を発行した事により、現在も高い水準となっている。
分析欄:減債基金
健全化法上、減債基金における満期一括償還型地方債については償還年数が30年を上限とするため、毎年発行額の30分の1を積み立てるものと設定されているが、本市においては当該元金の10年分は既に返済が済んでいることから、なお残る20年を償還年数とし、毎年度積立相当額を20分の1として設定している。毎年度、積立相当額を超える積立を行っており、そのため積立不足は生じていない状態である。
将来負担比率(分子)の構造(2018年度)
分析欄
将来負担比率は68.2%と前年度比-23.6ポイントとなっており、7か年連続で減少している。これは下水道事業が発行した企業債が減少したことなどにより、公営企業債等繰入見込額が減少となったことや地方債残高が減少したこと、それに加え充当可能基金の積み増しなどにより、比率の改善に寄与したものである。一般会計等に係る地方債の現在高が、将来負担比率の分子の構造に多くを占める要因については、過去に実施した普通建設事業や職員退職手当の財源として地方債を発行したことによるものである。また、公営企業債等繰入見込額も大きな割合を示しており、将来負担比率の改善をはかるには、次世代に負担を先送りしない責任ある財政運営のもと、全会計及び一部事務組合を含めた起債の抑制や、将来に備えた充当可能基金への積み増しなどによる改善を引き続き目指す必要がある。
基金残高に係る経年分析(2018年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)(増減理由)ここ3か年の増減理由としては、積立では、財政調整基金への決算剰余金の積立、ふるさと応援寄附金の積立及び土地売払収入による積立などが増加している。取崩しとしては、下水道事業特別会計繰出金事業への取崩しや、地域環境基金活用事業への取崩しなどが主なものである。(今後の方針)財政調整基金やその他の特定目的基金について、今後も目的を推進していくために、積立や取崩しを適切に行っていく見込である。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)ここ3か年の増減理由としては、決算剰余金の積立、また各補正予算における財源調整の積立による増加である。(今後の方針)近年増加している災害等、また経済事情の変動等により財源不足に陥った場合に備え、毎年の収支状況を踏まえながら、今後においても、最低限の積立を行っていく見込みである。
減債基金
減債基金
(増減理由)(今後の方針)令和2年度に満期一括型地方債の10年間積立分の取り崩しを行う予定である。※本市の減債基金残高は、全額満期一括型地方債の償還財源であり、決算統計においては計上されないものである。そのため、左欄の残額は「-」となっている。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)公共施設整備基金:公共施設の整備及び大規模改修に備えた財源確保のため。福祉基金:社会福祉施設の整備その他社会福祉事業に要する費用に充てるため。ふるさと応援基金:安心して子供を産み育てられるまちづくり事業やセーフコミュニティ事業など、寄附者の意思を汲んだ各事業に要する費用に充てるため。テクスピア大阪産業振興整備基金:テクスピア大阪の施設の維持管理に係る資金並びに市内の繊維産業をはじめとする地場産業の育成及び支援に係る事業に要する資金に充てるため。泉大津市営住宅整備基金:市営住宅の整備事業の資金や借入金に係る償還金に充てるため。(増減理由)公共施設整備基金:平成28年度に設置した基金であり、増減理由としては、市の保有している土地の売払収入による積立の増である。福祉基金:ここ3か年の増減理由としては、一般寄附金による積立による増、福祉基金事業への充当による取崩しの減である。ふるさと応援基金:ここ3か年の増減理由としては、ふるさと納税制度の拡充による指定寄附金が増加したことによる積立の増である。テクスピア大阪産業振興整備基金:ここ3か年の増減理由としては、テクスピア大阪の貸付収入から施設の維持管理の必要経費を差し引いた額を積立てたことによる増である。泉大津市営住宅整備基金:ここ3か年の増減理由としては、平成28年度及び平成29年度に河原町住宅跡地の余剰地の売却による積立の増である。(今後の方針)公共施設整備基金をはじめとするその他の特定目的基金について、今後も目的を推進していくために、積立や取崩しを適切に行っていく見込である。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
本市では、昭和40年代から50年代の半ばにかけて建設された公共施設の多くが更新時期を迎えており、有形固定資産減価償却率については、類似団体と同様の状況である。平成26年度に策定の「泉大津市公共施設適正配置基本方針」において、公共施設の総量を15%以上縮減することを目標とし、平成29年度に策定した「泉大津市公共施設適正配置基本計画」に沿って施設の適正配置を進めているところである。また、平成28年度に策定の「泉大津市公共施設等総合管理計画」において、道路などのインフラ資産について、長寿命化や適切な維持保全によるコストの圧縮を図るものとしている。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
債務償還比率は前年度と比較して3.4ポイント増加している。主な要因としては過去に実施した普通建設事業や職員退職手当の財源として地方債を発行したことや、業務支出の増、業務収入などが挙げられる。また、類似団体内平均値と比較して高い状況が続いている。要因としては過去に発行した市債(退職手当債及び普通建設事業債)の影響が大きいことが挙げられる。全会計及び一部事務組合を含めた起債の発行抑制や、将来に備えた充当可能基金への積み増しなどによる改善を引き続き目指していく。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
将来負担比率は類似団体内平均値を上回っている。過去に発行した市債(退職手当債及び普通建設事業債)の影響が大きいため、市債の償還を計画的に進め、また、可能な限り市債の発行抑制を図っている。また、昭和40年代から50年代の半ばにかけて建設された公共施設の多くが更新時期を迎えており有形固定資産減価償却率については、類似団体と同様の状況である。今後は、平成29年度に策定した「泉大津市公共施設適正配置基本計画」に沿って施設の適正配置を進め、平成28年度に策定の「泉大津市公共施設等総合管理計画」において、道路などのインフラ資産について、長寿命化や適切な維持保全によるコストの圧縮を図っていく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
本市の両比率は、類似団体内平均値に比べ高い状況が続いている。その要因としては、過去に発行した市債(退職手当債及び普通建設事業債)の公債費が大きく影響している。そのため市債の償還を計画的に進め、また、可能な限り市債の発行抑制を図り、さらに平成26年度以降、一般財源による土地開発公社の保有土地の買戻しを進めてきた結果、将来負担比率及び実質公債費比率は改善してきている。また、実質公債費比率については、平成28年度には7年ぶりに地方債の発行に大阪府の許可が必要となる18%を下回る結果となった。しかしながら本市が抱える問題として、公共施設の老朽化に伴う更新整備が控えていることから、今後の財政規律が緩むことのないよう努めていかなければならない。これらの状況を踏まえ、平成28年度に策定した「財政運営基本方針」に基づき、市債の発行抑制や土地開発公社が保有する土地の一定の買戻しを継続的に行いながら、両比率を改善できるよう、慎重かつ適正な財政運営に努める必要があるものと分析する。
施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)
道路
橋りょう・トンネル
公営住宅
港湾・漁港
認定こども園・幼稚園・保育所
学校施設
児童館
公民館
施設情報の分析欄
道路の一人当たりの延長については、類似団体内平均値と比較して値が低くなっている。これは、本市のほぼ全域が市街地となっており、平坦でコンパクトであることが主な要因と考えられる。認定こども園・幼稚園・保育所の有形固定資産減価償却率については、69.0%と類似団体内平均値と比較して高くなっており、一人当たりの面積の数値についても高いことから、施設の老朽化は進んでおり、人口に対しての施設面積が多いことが分かる。学校施設の有形固定資産減価償却率については、類似団体内平均値を下回っているが、前年度と比較して2.1ポイント増加しており、全体的に老朽化が進んでいることが分かる。ただし、長寿命化工事を予定しているため、今後は改善していくと考えられる。公民館の有形固定資産償却率については、類似団体内平均値を上回っている。これは施設の更新が進んでいないことが主な要因と考えられる。これらのことから「泉大津市公共施設適正配置基本計画」に沿って幼稚園・保育所など施設の統合を推進していくことが改善につながると考えられる。
施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)
図書館
体育館・プール
福祉施設
市民会館
一般廃棄物処理施設
保健センター・保健所
消防施設
庁舎
施設情報の分析欄
図書館の有形資産減価償却率については、72.2%と類似団体内平均値と比較して高くなっており、施設の老朽化が進んでいることが分かる。ただし、現在、駅前への移転に向け事業を展開していることもあり、今後は一定の改善が見込まれる。市民会館の有形固定資産償却率については、96.7%と前年度と比較して値が増加しているが、平成30年度に一部施設の除却が完了したため、次年度以降は改善が見込まれる。保健センターの有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値を大幅に上回っているが、令和元年度に長寿命化の工事を行ったため、今後は一定の改善が見込まれる。消防施設の有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値を大幅に下回っているが、これは平成29年度に新庁舎を建設したことが主な要因である。引き続き、「泉大津市公共施設配置基本計画」に沿って施設複合化・多機能を推進していくことで改善につながると考えられる。
財務書類に関する情報①(2018年度)
資産合計
負債合計
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、平成29年度から平成30年度にかけて流動資産が増加するも固定資産が減少し、資産の部として469百万円の減少(▲0.7%)となった。主な要因として、建物減価償却累計額や工作物減価償却累計額が増加したことによる資産減少が、減債基金及びその他特定目的基金の増加(+255百万円)や財政調整基金の増加(+647百万円)などの資産増加を上回ったことが挙げられる。なお、地方債の発行抑制により固定負債が減少(△622百万円)したことから、負債の部については1,271百万円の減少(△3.5%)となった。水道事業会計等を加えた全体においては、水道事業や病院事業における資産の減価償却累計額が増加し、資産の部として382百万円の減少(△0.4%)となった。また、連結については、泉大津市土地開発公社の土地の売却による資産の減少等の影響により、資産の部として1,032百万円の減少(△1.0%)となった。
純経常行政コスト
純行政コスト
2.行政コストの状況
一般会計等において、経常費用は23,873百万円となり、前年度比500百万円の増加(+2.1%)となった。そのうち人件費等の業務費用は10,185百万円、補助金等や社会保障給付等の移転費用は13,688百万円であり、移転費用の方が業務費用より多くなっている。最も金額が大きいのは社会保障給付(7,718百万円)、次いで他会計への繰出金(4,144百万円)である。今後も高齢化の進展などにより、この傾向が続くことが見込まれるため、「泉大津市財政運営基本方針」に基づき、慎重かつ的確な財政運営に努める。全体では一般会計等に比べて、水道料金等を使用料及び手数料に計上していることなどから、純行政コストは11,532百万円多くなっている。連結については、一般会計等に比べて、連結対象企業の事業収益を計上していることなどから、純行政コストは18,865百万円多くなっている。
本年度差額
本年度末純資産残高
本年度純資産変動額
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、税収等や国庫補助金等の財源(23,844百万円)が純行政コスト(22,992百万円)を上回ったことから、本年度差額は852百万円(前年度比△1,165百万円)となった。全体では、泉大津市水道事業会計の純資産残高が増加(+384百万円)したこと等の影響により、本年度差額は1,254百万円となった。また、連結については、純行政コストが税収等を上回った連結対象の一部事務組合もあったが、全体として本年度差額は1,389百万円となった。
業務活動収支
投資活動収支
財務活動収支
4.資金収支の状況
一般会計等財務書類においては、業務活動収支は2,211百万円となり、投資活動収支については、公共施設等整備支出の減などにより、前年度から1,145百万円増加し、△1,478百万円となった。また、財務活動収支については、地方債の償還が地方債発行収入を上回ったことから、△822百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から89百万円減少し、438百万円となった。しかし、地方債の償還は進んでおり、経常的な活動に係る経費は税収等の収入で賄えている状況である。
財務書類に関する情報②(2018年度)
①住民一人当たり資産額(万円)
②歳入額対資産比率(年)
③有形固定資産減価償却率(%)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額と歳入額対資産比率については類似団体平均値を下回っているが、本市は取得価格が不明な道路などを備忘価格1円で設定しているためと考えられる。有形固定資産減価償却率は類似団体平均値とほぼ同水準であるが昨年より差が広がっており類似団体と比べると減価償却が進んでいる。今後、公共施設等の整備も予定しており、公共施設等の適正管理を図り増加抑制に努める。
④純資産比率(%)
⑤将来世代負担比率(%)
2.資産と負債の比率
純資産比率は類似団体平均値を下回っており、将来世代負担比率は類似団体平均値を上回っている。これは共に類似団体よりも地方債をはじめとする負債が大きいことによるものであり、過去に行った南海本線高架化工事や市内道路整備に伴う地方債の発行が影響している。
⑥住民一人当たり行政コスト(万円)
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストについては類似団体平均値を下回っている。しかし、本市において高齢者及び障がい者に対する給付費が増加傾向であり、今後、行政コストも増加することが見込まれることから、直営で運営している施設について、指定管理者制度を導入するなど、人件費の削減に努める。
⑦住民一人当たり負債額(万円)
⑧基礎的財政収支(百万円)
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は類似団体平均値を上回っている。近年、地方債については、発行を抑制しているため減少傾向であるが、今後、公共施設等の整備も予定しており、増加が予想される。基礎的財政収支については、経常的な支出を税収等の収入で賄えているため、1,964百万円となっており、健全な財政運営を行っていると言える。
⑨受益者負担比率(%)
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は類似団体平均値と同程度水準となっている。今後、施設の老朽化等による維持補修等の費用の増嵩が見込まれることから、公共施設等総合管理計画による適正な施設配置や更新を進めるなど、今後も経費削減に努める。