収益等の状況について
①収益的収支比率は、類似施設平均値を上回っているが、全国平均を下回っている。①収益的収支比率が前年より高い要因は、機器のリース期間が経過し、リース金額が大幅減となる等総費用が前年に比して減少したためである。④売上高GOP比率、⑤EBITDA共に類似施設平均値や全国平均を大きく上回る高い数値を示しており、全体としては高い収益性を保持している。また、他会計からの補助金や企業債残高はない。これは、指定管理者制度を導入し、民間経営のノウハウを活かした運営を行っていることと、今後、施設の建替えの可能性を考慮し、設備投資の費用を抑えていることに起因していると思われる。
資産等の状況について
建設後30年以上が経過しており設備も老朽化しているため、継続して使用する場合は改修の必要があるが、現在、駐車場の所在地を含む地域は市街地再開発の事業化を目指して権利者の同意形成中であり、先行きが不透明なため、設備投資は先送りにならざるを得ない状況にある。更新投資の必要性を精査しながら、今後の方針が決まり次第、それに沿った対応を検討する。また、地方公営企業法を適用しておらず企業債の借り入れがないため、⑥有形固定資産減価償却費、⑨累積欠損金比率及び⑩企業債残高対料金収入については、「該当なし」となっている。
利用の状況について
⑪稼働率は、類似施設平均値を上回っているが、全国平均を下回っている。経年比較において大きな変動はないが、やや減少傾向にある。これは、駅に隣接した立地状況から駐車場としての需要はあるものの、駅周辺の再開発事業により土地活用の形態が変わり、他の民間駐車場の利用状況の影響を少なからず受けているためと思われる。なお、利用料金の高さを指摘する声もあることから、今後、消費税率引上げの対応も含めて、料金改定を視野に検討していく。
全体総括
経営の健全性については、①収益的収支比率、④売上高GDP比率及び⑤EBITDAについて、類似施設平均値を上回っており、黒字が続いていることから、安定した経営ができていると分析できる。一方、現在、駐車場の所在地を含む地域は市街地再開発の事業化を目指して権利者の同意形成中であり、今後の先行きが不透明である。周辺施設及び民間駐車場の利用状況の把握に加え、近隣市町村との情報共有等により、利用状況の改善をさらに図っていく。また、経営戦略については、平成32年度策定予定である。