経営の健全性・効率性について
①面整備に伴い使用料収入は増加してきているが、地方債償還金額は平成31年度まで増加傾向にあるため、収益的収支比率については、91.14%となっている。ここ5年間では改善傾向にあるが、100%未満であるため、浄化センター維持管理費の削減及び使用料収入の増加を図る必要がある。④企業債残高対事業規模比率については、平成27年度から0となっているが、これは平成27年度から一般会計繰入金による返済を反映させたためである。なお、企業債残高は年々減少している。⑤分流式下水道等に要する経費算定方法が変更となったことから、経費回収率は改善傾向にあるが、類似団体平均値よりも低い状況にある。使用料で賄いきれない経費に一般会計からの繰入金を充てており健全経営に向けた改善が必要である。⑥分流式下水道等に要する経費算定方法が変更となったこと及び有収水量の増加等により、汚水処理原価については減少傾向にあったが、修繕費が増加し始めており、接続率の向上、維持管理費の削減に引き続き務める必要がある。。⑦施設利用率については、類似団体平均と比較して高い状況にある。面整備が進む中、汚水流入量に応じた適切な処理場規模とする必要がある。⑧水洗化率はこれまで接続者の積上げ方式で算定していたが、H30に住基情報と連携したシステムを構築し集計した結果、実態と乖離していたことが判明した。実態は類似団体平均より低い状況であり、接続率を向上させることが必要である。
老朽化の状況について
当町の下水道管渠整備は、平成2年度から行っており、下水道管渠の耐用年数とされる50年に至っていないため、これまで管渠の更新は行っていない。今後は、新たに策定したストックマネジメント計画に基づき、継続的に点検、調査、修繕及び更新を計画的かつ効率的に実施していく。
全体総括
本町の下水道事業は、現在も面整備を進めているが、ピーク時より事業量が減少しているため企業債残高は、年々減少している。一方で処理場は更新工事が増加傾向にあり、事業費の増加が見込まれている。企業債の償還は一般会計からの繰入金を充てているが、維持管理に係る経費についても使用料だけでは賄えていないため、不足する部分は繰入金により経営している状況である。令和2年度から公営企業会計が適用されるため、経営状況がより明らかとなる。また、令和2年度には中長期的な経営の基本計画となる経営戦略を策定することから、この経営戦略に基づき、安定した事業継続に向けて下水道事業の経営改善を進める必要がある。