地域において担っている役割
公立病院の統合により新たに設立された中東遠総合医療センターの後方支援病院として、外来機能(一次医療)と、一般病床・療養病床・回復期リハビリテーション病床を市内で運営している。高度医療(二次医療)を担う中東遠総合医療センターと、地域の診療所、訪問看護・介護事業所等と連携して機能分担し、切れ目のない地域医療体制を提供する、地域包括ケアシステムの医療分野の拠点として運営している。
経営の健全性・効率性について
平成25年度の開院以降8年を経過し、安定的な運営を行っていることから、経常収支比率も持続可能な経営を実現するための指標である100%を超えている。入院患者1人1日当たり収益については、当院は比較的収益性の低い慢性期病床があるため、平均よりも下回っているが、医療環境の向上により、1人1日当たり収益は年々増加している。外来患者1人1日当たり収益については、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う診療制限により減少したものの、効率的な運営により、前年度と同水準となった。また、積極的にワクチン接種を実施したことにより、医業収支比率が前年度より上昇した。
老朽化の状況について
旧袋井市立袋井市民病院の閉院に伴い、袋井市立聖隷袋井市民病院は平成25年に開院したが、施設自体は外来部分が昭和54年に建設され約40年が経過し、病棟部分が平成元年に建設され約30年が経過している。令和元年度に一般X線撮影システム等医療機器を更新し、今年度は調剤システムの更新や、患者の入浴介助のためのシャワートロリーの購入等、計画的に備品を更新等している。しかし、施設自体の老朽化が著しく、備品の多くも経年劣化が進んでいるため、今後も計画的に施設修繕や備品の更新を図り、より良い療養環境の提供に引き続き努めていく。
全体総括
経営は順調に推移している。令和2年度も平成28年度に策定した「袋井市立聖隷袋井市民病院改革プラン」に基づき、経費削減・抑制に向けた取り組み、収入増加・確保に向けた取り組み、人材確保・離職防止に向けた取り組みなどを推進し、安定した経営が継続できた。今後においても、より効率的で安定した経営基盤の確立に向け、一層努力していく。