地域において担っている役割
公立病院の統合により新たに設立された中東遠総合医療センターの後方支援病院として、外来機能(一次医療)と、一般病床・療養病床・回復期リハビリテーション病床を市内で運営している。高度医療(二次医療)を担う中東遠総合医療センターと、地域の診療所、訪問看護・介護事業所等と連携して機能分担し、切れ目のない地域医療体制を提供する、地域包括ケアシステムの拠点として運営している。
経営の健全性・効率性について
平成25年度の開院以降7年を経過し、安定的な運営を行っていることから、経常収支比率も持続可能な経営を実現するための指標である100%を超えている。入院・外来患者の1人1日当たり収益については、当院は比較的収益性の低い慢性期病床が主であるため、平均よりも下回っている。しかし、入院患者数の増加に加え、医療環境の向上によって、1人1日当たり収益は年々増加している。同様に収益全体も増加していることで、医業収支比率及び病床利用率の改善が進み、昨年度同様平均を上回ることができた。また、令和元年度より実施を始めた訪問リハビリテーション事業も好調であり、当初の計画よりも多くの利用を得ている。今後も収益増加に向けた取り組みを継続して進める必要がある。
老朽化の状況について
旧袋井市立袋井市民病院の閉院に伴い、袋井市立聖隷袋井市民病院は平成25年に開院したが、施設自体は外来部分が昭和54年に建設され約40年が経過し、病棟部分が平成元年に建設され約30年が経過している。平成30年度には空調・給湯設備更新工事を実施し、今年度は一般X線撮影システム等医療機器を更新する等、計画的に施設修繕や備品の更新を行っているが、施設の老朽化が著しく、備品等も経年劣化が進んでいる。今後も計画的に施設修繕や備品の更新を図り、より良い療養環境の提供に引き続き努めていく。
全体総括
経営は順調に推移している。今後においても、平成28年度に策定した「袋井市立聖隷袋井市民病院改革プラン」に基づきながら、経費削減・抑制に向けた取り組み、収入増加・確保に向けた取り組み、人材確保・離職防止に向けた取り組みなどを推進し、効率的で安定した経営基盤の確立に向け、より一層努力していく。