経営の健全性・効率性について
経常収支比率は前年度と比較してほぼ横ばいとなり100%をこえているものの、水需要の減少に伴う使用料収入の減少や維持管理費の増大などにより経営状況がさらに厳しくなることが見込まれます。流動比率は、過去に借り入れた企業債の償還元金が前年度より増額となっているため低い状況が続いています。企業債残高対事業規模比率は、類似団体及び全国の平均値を大きく上回っているが、今後は、企業債残高が減少する見込みのため、同比率も減少すると考えられるものの、使用料水準を見直し適切な使用料収入を確保することが必要となります。経費回収率についても類似団体及び全国の平均値を下回っており、使用料収入だけでは賄えず一般会計からの繰入金で補っている状況となっています。汚水処理原価も高い水準となっており、その要因として不明水割合が高く有収水量が少ないことが考えられるため、不明水対策も求められています。施設利用率については、類似団体平均よりも高い数値となっており、最大稼働率も92.6%であることから、適切な施設規模であると考えられます。水洗化率については、上昇傾向にありますが類似団体平均や全国平均には届いていないため、より一層の啓発を行い水洗化率の向上に努めます。
老朽化の状況について
当市は平成30年度が地方公営企業法の適用初年度となるため、有形固定資産減価償却率については、減価償却費の累積がなく非常に低いものとなっています。管渠老朽化率は類似団体平均を上回っているが、ストックマネジメント計画に基づいて管渠の改善を進めているため、今後も計画的に老朽化対策を進めていきます。
全体総括
下水道事業を持続的に行うために、今後の人口減少や経済状態を見極め、公営企業会計における財務諸表等を活用し、経営の健全化・効率化を行うことで、経営基盤の強化を図っていきます。そのために、より効率的な事業の在り方を模索し、維持管理費の削減に努めるとともに、汚水処理の広域化・共同化の方針の確定後には、適正な使用料の水準について検討を進めていきます。※平成30年4月から地方公営企業法を全部適用したため、平成29年度以前のデータはありません。