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人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(平成28年度末36.3%)に加え、町内に中心となる産業や大規模な事業所が少ないこと等により財政基盤が弱く、類似団体平均値をかなり下回っている(-0.25)。そのため、企業誘致や定住促進対策を積極的に進め、法人税・住民税等の増収に努めている。一方、歳出は、合併により職員数が大幅増となった人件費のほか、公共施設に係る維持管理経費の影響により、歳出総額に占める割合が高い物件費の削減が課題である。平成27年度末に策定された公共施設等総合管理計画による類似施設の統廃合や採算性の低い施設の廃止など、徹底した行財政改革を進め、経常経費の縮減に努める。人件費については、定員適正化に基づく削減計画により削減を図っているが、今後も退職不補充などにより職員数の削減を進めていく。
人件費及び物件費は類似団体平均値を上回っているが、経常収支比率は類似団体平均値を5.5ポイント下回っている。昨年度の75.7%から80.8%に増加した主な要因は、算出の分母となる地方交付税等の経常一般財源の減少によるものとなる。今後、物件費の多くを占める公共施設の維持管理経費については、「公共施設等総合管理計画」による類似施設の統廃合や採算性の低い施設の廃止など、徹底した行政改革・事務事業の見直しを進め経常経費の縮減に努める。
類似団体平均値に比べて大幅に上回っている。人件費は人員削減効果が出ているものの、物件費は依然として高く、維持補修費は老朽化した施設の臨時的な補修費や現状に見合った修繕等に左右されている。更なる職員数の削減が限界に近づいているなか、公共施設の統廃合等を早急に進め、人件費・物件費及び維持補修費の抑制に努める。
類似団体平均値に比べて低い水準にあり、平均値を4.6ポイント下回っている。平成25年度の国家公務員人件費削減措置の影響により指数自体は高くなったが、類似団体も同様の結果となっており、依然として低い水準となっている。これは、従来からの給与体系水準の低さや男女の昇任格差が要因であると考えられる。平成19年度から新たな昇給制度(勤務評定)により適正な給与の改正を図っており、また、地域の民間企業との給与格差についても適正に反映させたい。
類似団体平均値に比べて4.85人上回っている。これは、合併により職員数が著しく多くなったことが要因である。平成28年4月1日現在の職員数は275人であり、合併当初(平成17年4月1日)と比較すると100人以上の減となっており、平成17年度に策定された定員管理適正化計画以上の削減を図っているところであるが、住民サービスの低下を招く恐れもあるためバランスを図る必要がある。今後も引き続き事務効率化や指定管理者制度の導入による業務の外部委託などにより、住民サービスの確保を図りつつ職員削減に努める
近年は、類似団体に比べ平均的な値で推移しているが、平成17年度からの推移を見ると大きく減少傾向にある(平成17年度14.3%から平成28年度7.0%)。これは、合併に伴い旧町村の格差是正や新町の一体化を狙う投資的経費の財源としての地方債発行や、全町全域下水道化に向けた整備のための地方債発行を行いつつも、旧町村から承継した地方債の償還が進み、年度毎の償還額が減少してきたためである。また、地方債残高については、交付税措置等条件の有利なものが大半を占めている。しかしながら、平成27年度以降は、算出の分母となる普通交付税の合併算定替適用期間が終了し、交付税額が大きく減少していることから、今後は実質公債費比率の増加が見込まれる。
将来負担比率については、平成23年度の4.4%以降、平成24年度からは「-%」となっている。しかしながら近年、算出の分母となる標準財政規模や算入公債費等の額が減少傾向にあることから、将来負担額を抑えるためにも地方債発行の抑制に努める必要がある。今後も長期的視野に立ち、後世への負担を少しでも軽減するよう行財政改革を進め、財政の健全化に努める。
人件費に係る経常収支比率は定員管理適正化計画の効果もあり、前年度に続いて類似団体をやや下回っている。平成27年4月1日現在の職員数285人に対し、平成28年4月1日現在の職員数は275人であり、10人の削減を行った。なお、合併当初(平成17年4月1日)に比べると10年で117人の削減を行い、町が定めた目標を上回る削減を図っている(計画においては平成17年4月1日から10年間で100人の純減目標)。平成27年3月に改正された当計画(平成27年度~平成36年度)においては、平成36年度の職員数を248人としており、今後も引き続き定員管理適正化計画の数値目標の達成に向けて職員数の削減を進めていく。
物件費の平成28年度決算額は2,389百万円で、前年度に比べ79百万円の増となっが、経常収支比率は類似団体平均を下回る結果となった。これは、合併以降進めてきた用度等経常経費の見直しや縮減の徹底、及び公共施設の統廃合や採算性の低い施設の廃止方針に基づくものと考えられる。しかしながら、依然として物件費の水準は高いため、同方針を積極的に進めていくことで経費削減に努めていく。
扶助費の平成28年度決算額は1,259百万円で、経常収支比率は4.0%となっている。財源としては特定財源の比率が高く、経常収支比率については例年、類似団体に比して低い率となっている。しかしながら、扶助費については、高齢化や障がい福祉の充実、少子化対策などにより今後も増加が予想される。
繰出金の平成28年度決算額は1,873百万円で、前年度に比べ41百万円の増となった。内訳は国保・介護保険などの事業会計への繰出金と、簡易水道、下水道等公営企業会計への繰出金が主なものであり、増加傾向にある。保険事業への公費負担は今後も継続して増加すると考えられるが、削減は容易ではない。下水道事業等の公営企業会計への繰出金については独立採算制の観点から繰出基準を明確にし、また、全体的に料金体系の抜本的な見直しを実施するよう指導をし、経営の健全化に努め、普通会計への圧迫を軽減させる。
補助費等の平成28年度決算額は1,852百万円で、前年度に比べ101百万円の減となった。経常収支比率は類似団体平均に比して高くはないが、補助費等には消防組合負担金や高齢者福祉関係の事務を行う社会福祉協議会や広域連合、し尿処理やごみ処理を行う一部事務組合への補助負担金、公共交通の要である自主運行バス経費や養老鉄道・樽見鉄道などへの支援を含んでおり、必要不可欠な経費として削減は容易ではない。これら各種団体への補助金について、事業内容・費用対効果を検証しながら抑制に努めていく。
公債費の経常収支比率は19.5%となっており、類似団体平均値に比べて6.1ポイント上回っている。決算額については、平成27年度の1,914百万円に対し平成28年度が2,110百万円と前年比196百万円の増となっているのは、今後の公債費負担の軽減のため、平成29年2月に民間資金193百万円の繰上償還を実施したためである。今後も、地方債発行の抑制や繰上償還を実施することにより、公債費負担の適正化を進める。
公債費以外の経常収支比率としては、類似団体平均値を大きく下回った。今後高齢化社会の益々の進展に伴う社会保障費等扶助費の増加や、高齢化や人口減少に伴う町税の減少等が予想されるため、その他の経常経費においても更なる抑制を図らなければならない。類似する公共施設の統廃合や人件費の削減など行政改革を積極的に進めることが不可欠である。
所有資産全体から見た有形固定資産減価償却率は、類似団体より低い水準にあるが、ほぼ全国平均と同じであり、岐阜県平均から見ると高い水準にある。当町は合併団体であり公共施設等の総量も多く、今後は施設等の老朽化とともに、修繕コストの増加や更新整備の時期も近付くこととなるが、平成27年度に策定した「揖斐川町公共施設等総合管理計画」では、目標年度の平成37年度までに公共建築物の保有面積全体を10%削減するとしており、施設の統合や集約化も視野に総量の適正化を図る。
当町は平成24年度から将来負担比率が0となっており、類似団体から見た順位は1位となっているが、合併団体であり広大な面積をもつ当町は、公共施設等の総量が多く、それに伴い施設の老朽化も一度に進むこととなる。今後は、後世への負担を少しでも軽減するよう行財政改革を進めるとともに、「揖斐川町公共施設等総合管理計画」に基づいた施設総量の適正化のみならず、民間のノウハウや資金の導入等も検討し、健全で持続可能な自治体経営の実現を目指す。
将来負担比率は0であり、実質公債費比率についても類似団体平均値をわずかに下回っている状況となっている。しかしながら、実質公債費比率については、岐阜県平均の6.0%を上回っており、今後の投資事業次第で指数は大きく変動するため、投資事業の実施にあたっては、事業の必要性、優先度等を充分に検討し、財源の確保に関して適切な選択をする必要がある。
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