経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は前年度まで100%を超え推移していたが、人口減少による料金収入の減少や汚水処理費などの増大により100%を下回り経営が悪化した。従来より経営に必要な費用は料金収入などの経常的な収入で賄えず、一般会計繰入金も財源に充てている中で、さらに経営は厳しいものとなった。汚水処理費用などが増加し経費回収率は下降、汚水処理原価は高騰へと厳しさを示している。処理区域内人口も年々減少しており、経営はさらに厳しさを増すものと想定される。施設利用率は高い数値が望ましいが、約7%と非常に低い数値となっている。これは処理区域内人口が供用開始時より大幅に減少していることによるもので、人口に対しては過剰な施設規模になりつつある。次回の更新時には最適な施設規模を検討し、投資の抑制を図る必要がある。水洗化率は好転したが、全国平均や類似団体の平均をやや下回る状況にある。
老朽化の状況について
終末処理場の機械設備やポンプ場などの機械設備は使用状況により更新を進めている。管渠改善率は過去10年以上0%となっている。これは平成9年度の供用開始から22年と施設が比較的新しく、耐用年数を超えるものが存在しないことによる。将来的には計画的に更新することや予防保全的な管理により長寿命化を図る必要がある。
全体総括
施設が比較的新しいため当面は大規模な更新投資が必要となる状況にはないが、処理区域内人口が大きく減少している。人口に対しては過剰な施設規模となりつつあることから、ダウンサイジングやスペックダウンなどの処理能力の最適化を図ることで処理経費の低減を検討する必要がある。将来的には老朽化した施設や管渠が多く発生し、膨大な更新投資が見込まれる。これらを計画的かつ効率的に、また、過剰投資とならないよう更新を進める必要がある。