地域において担っている役割
富士北麓地域において唯一の公立病院であり、救急医療・高度医療といった不採算部門を抱えるほか、地域がん診療連携拠点病院・地域災害拠点病院等として、当地域の中核的役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
令和元年度は入院・外来収益が大きく伸び、経常収支比率は類似病院に近づき、医業収支比率は全国平均を上回ることが出来た。患者1人1日あたり入院収益は類似団体に近づいたが、外来については逆に差が開いている状況となっている。職員給与費対医業収益比率は改善。材料費対医業収益比率は前年度水準となっているが、類似団体等が大きく上昇している中、前年度水準に抑えることが出来たのは、価格比較分析に基づく薬品・材料の価格交渉を徹底した事によるものと考えられる。SPD業務委託の見直しも実施したため、引き続き材料費削減に取り組んでいく。病床利用率は依然として低いため、集患対策が必要。
老朽化の状況について
本院は当該地に移転してから20年が経過し、施設や医療機器等の老朽化が進んでおり、類似団体と比較しても老朽化の進捗度合いが高くなっている。平成27年度からの推移を見ても上昇傾向にあることから、早急に対策を講じていかなければならない。医療の停滞を招かないよう、今後も引き続き更新・整備を図っていく。
全体総括
累積欠損金比率が非常に低いこと等から、一定の健全性は確保されている。しかしながら、平成27年度からの推移をみると悪化の一途をたどっている。また、現在、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、病院経営を取り巻く環境は過去に類を見ないほどの苦境に立たされている。今後、施設の老朽化に伴う更新、修繕費用の増加や退職給付引当金の計上など、多大な費用を要することが見込まれていることから、経費の節減対策を実施すると同時に、集患対策を進めて行くほか、新型コロナウイルス感染症対策として講じられる国等からの様々な支援を最大限得られるよう、国等の動向を注視し、着実な収益の確保を図ることで、経営の健全化に努めていきたい。