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令和元年度の財政力指数は、前年度と同値の0.74となった。現状は、全国平均、福井県平均を上回った状況であるが、類似団体内では、概ね平均値となった。今後も投資的経費の抑制など歳出の徹底的な見直しを図り、コンビニ収納の推進や滞納整理の強化を実施するなど、デジタル化も図りつつ税収の確保に努める。
経常一般財源とうについては、普通交付税及び臨時財政対策債の減(1,061,911千円)、また地方税においては、一部企業の業績停滞による法人市民税の減(369,567千円)の影響により、総額で1,026,852千円の減となった。一方、経常経費充当一般財源等については、扶助費において施設型給付費等、令和元年10月からの無償化の影響により、一般財源が減となった影響から、対前年度294,160千円減となった。このことから、経常収支比率は92.0%(対前年度比+3.5ポイント)と増加した。今後は、公債費の増による経常収支比率の上昇が懸念される。
人件費については、概ね横ばいであった。物件費においては、観光推進事業に係るインバウンド事業の委託料増に伴い前年度に比し増となったところである。また、人口について前年度より1,000人減となった影響が増の要因となっている。しかしながら、全国平均、福井県平均及び類似団体平均をいづれも下回っており、引き続きコスト低減を図っていく。
職員数の削減については、行財政構造改革プログラムに基づき、民間活用や早期退職制度の実施など行政改革を積極的に進めている。また、団塊の世代の退職者が増えたことから、職員数削減目標は早期に達成したところである。人口1,000人当たりの職員数については、全国平均、福井県平均及び類似団体平均を下回っており、今後も引き続き、行財政構造改革プログラムに基づき適正な定員管理と組織体制の在り方を検討していく。
令和元年度の実質公債費率は、公営企業への操出金が増加したものの、元利償還金の減少や法人市民税の増に伴う標準税収入額等の増の影響等により、単年度では11.6%と昨年度比0.4ポイント減となったが、3ヵ年平均において11.6%と0.3ポイントの増となった。今後は、起債発行が増えたことにより公債費は増加傾向にあることから、利率見直し等を行うことで償還額の抑制に努めている。また、公営企業への操出金も増加が見込まれることから、公営企業の経営健全化や新規起債の発行抑制などに引き続き努める。
令和元年度は、半世紀に一度のまちづくりに伴う建設事業(新庁舎建設等)が佳境を迎えたことから、合併特例債等の起債発行が増加し、地方債残高が1,879,975千円増となったことや、庁舎建設基金などの充当可能基金残高が1,023,534千円減となったことなどから、将来負担比率は126.2%と18.8ポイント大幅に上昇した。今後も新規起債の発行の抑制をはじめとする行財政構造改革を着実に推進し、将来負担の軽減を図る。
例年、類似団体平均、全国平均、福井県平均を下回る結果となるが、これは、ごみ処理業務や消防業務を一部事務組合で行っていることが主な要因である。前年度比較においては、退職手当や時間外勤務手当が増加したことにより、人件費全体で4,396千円増となり、1.0ポイント増の19.1%となった。今後も、行財政構造改革プログラムに基づき適正な定員管理と組織体制の在り方を引き続き検討していく。
物件費については、インバウンド事業に係る委託料等増や庁内情報ネットワーク更新事業等の増に伴い、昨年度に比し0.9ポイント増の14.2%となった。類似団体、全国、福井県平均をいずれも下回っているが、今後も行財政構造改革プログラムに基づき事務事業の見直しや効率化を推進し、経常経的経費の抑制に努める。
類似団体、全国、福井県平均を下回っているが、令和元年10月からの無償化等の影響で施設型給付の経常経費が減少したことが、扶助費の割合を1.5ポイント減少させ8.7%となったところである。扶助費全体では、今後増加する傾向があることから、国の制度改正を注視しつつ、市制度の見直しを検討し効果的な給付等を行い、扶助費全体の抑制に努める。
下水道特別会計を除く各特別会計への操出金の増に伴い、前年度に比し1.2ポイント増の15.6%となった。今後も、長期的視点に立った施策を推進することで歳出抑制に努める。
工芸の里構想推進事業などの補助金の増や、清掃組合への分担金の増に伴い、前年度比1.0ポイント増の15.3%となった。これまでも、類似団体、全国、福井県平均を上回っており、補助費等の割合が高いことから、長期的視点に立ち効果的な施策を推進することで歳出抑制等を図る。
普通債発行額の抑制や交付税措置のある有利な起債の活用など行いつつ、金利の見直し等を行い縮減を図っているところだが、前年度に比し0.5ポイント増の19.1%となった。これまでの半世紀に一度のまちづくりに伴う起債発行額の増が影響しており、、類似団体、全国平均、福井県平均をいづれも上回っており、今後も公債費の増に注ししつつ、新規起債発行額の抑制に努める。
公債費以外の経常経費の状況は、類似団体平均、全国平均、福井県平均をいづれも下回っているところだが、今後も引き続き行財政構造改革プログラムに基づく事務事業の見直しや効率化を推進し、経常的支出の削減に努める。
(増減理由)庁舎建設が佳境を迎えたことから、庁舎建設基金を前年度より438百万円多い789百万円取り崩す一方、健全な財政運営を確保するため財政調調整基金の積立を実施したことで、基金全体として13億7千6百万円の減となった。(今後の方針)健全な財政運営を確保するため、財政調整基金の計画的な運営を図り、半世紀に一度のまちづくりなどの推進のため、社会基盤整備基金や庁舎建設基金の運用を計画的に実施する。
(増減理由)景気の動向による法人関係税等の変動や普通交付税合併算定替による特例措置の縮減等に併せ、787百万円取り崩した一方で、繰越金の1/2及び年度末までに発生した入札差金等の不用額で594百万円積立したことにより、193百万円の減となった。(今後の方針)今後想定される普通交付税の逓減や経済情勢の影響等による税収の減に対応し、健全な財政運営を確保するため、標準財政規模の概ね10%を維持する。
(増減理由)利息分の増(今後の方針)経済事情の変動等により財源が不足する場合に備え、今後も現状の積立額を維持する。
(基金の使途)庁舎建設基金:越前市庁舎建設のための財源社会基盤整備基金:半世紀に一度のまちづくりを推進するにあたり、必要な社会基盤整備及び公共施設の長寿命化又は統廃合に要する経費の財源に充てる。(増減理由)庁舎建設基金:庁舎建設計画(平成29~令和2)に基づく、本庁舎建設の財源として789百万円を充当したことに伴う減少社会基盤整備基金:社会基盤整備及び公共施設の長寿命化又は統廃合に要する経費に、340百万円充当した一方で、今後のまちづくり事業の経費の財源として、151百万円を積立てたことに伴う減少。(今後の方針)庁舎建設基金:庁舎建設計画に基づき、本庁舎建設の財源として適切に取崩しを行う。社会基盤整備基金:半世紀に一度のまちづくりを推進するにあたり、令和2年度までに累計20億円の積立を目指すため毎年1億5千万円を積立、計画的な事業執行を実施する。
当市では、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設等の延べ床面積を40年間で30%削減するという目標を掲げ、老朽化した施設の集約化・複合化や除却を今後進めていく。当市の有形固定資産減価償却率は類似団体より低い水準にあるが、資産の大半を占める道路の償却率が低いために全体の償却率も低くなっている。児童館などの建築系公共施設においては、類似団体よりも高い水準となっているので今後老朽化対策の取組を進めていく必要がある。
当市では、合併特例債等、財源確保に有利な起債を活用し半世紀に一度のまちづくりを行っている。これに伴い、体育館の建設や庁舎の建設等に起債発行が増え、起債残高の上昇となり、債務償還比率においても類似団体に比し高くなっているものである。
将来負担比率が増加傾向にあり、類似団体と比べて高い水準にある一方、有形固定資産減価償却率は類似団体よりも低い水準で推移している。半世紀に一度のまちづくりに伴う整備を進める現在は一時的に将来負担が増加すると見込まれるものの、今後は施設の更新・複合化が進むことで公共施設等の維持管理に要する経費が減少することが見込まれる。
実質公債費比率は類似団体と比較して高い水準にあり、将来負担比率が近年上昇傾向にある。主な要因としては、体育館の建設や公園整備、庁舎建設等に対し、地方債を発行したことが挙げられる。今後これらの地方債の償還が始まり、実質公債費比率が上昇していくことが考えられるため、これまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。
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