経営の健全性・効率性について
今後の老朽化対策・耐震化等の設備投資の増加に備えて、効率的な維持管理や適切な料金設定により、経営の安定と資金確保に努めている。施設利用率は類似団体平均値を上回っている。その結果、経常収支比率および経費回収率は類似団体を常に上回っており、累積欠損金比率も0%を維持している。汚水処理原価は、工場排水を対象として生物処理に加え、ろ過設備や活性炭吸着設備による処理を行っていることから、類似団体平均値を上回っている。流動比率については、増設事業費の未払金が増加したことにより低下しているが、100%以上を確保している。企業債の残高が無いため、企業債残高対事業規模比率は0%となっている。今後も引き続き経営の健全化、効率化に努めていく。
老朽化の状況について
運用開始から20年以上経過した施設であるため、有形固定資産減価償却率は類似団体平均と同程度となっているが、管渠老朽化率は低いことから、管路以外の施設の老朽化の度合いは高くなっている。老朽化対策については、機能維持や安全性確保のため、点検・診断・修繕・更新等のメンテナンスサイクルにより、長寿命化を図り設備投資の抑制や平準化など、中長期的な視点で計画的に進めている。公営企業経営戦略において、計画的かつ効率的な更新計画を設定し、老朽化対策に取り組んでいく。
全体総括
現在の経営状況は健全で効率的な経営を行っていると判断できる。当事業は供用開始から20年以上が経過し、塩害や工業排水の腐食成分などによる腐食が進行しており、今後は老朽化対策に伴う更新需要の増大や施設・管路の維持修繕に加え、施設・管路の耐震化が予定されており、多額の費用負担が見込まれる。そのため、これらに見合う料金収入の確保および経費削減に努め、より一層経営の健全化・効率化に努めていく必要がある。