経営の健全性・効率性について
経常収支比率は黒字を示す100%を上回っている。令和2年度の料金回収率は86.51%と前年度より大幅に低下しているが、新型コロナウイルス感染症の拡大に係る経済対策として、4ヶ月間の基本料金を免除したことによるもので、その他の指標については良好な数値であり、健全な経営状況となっている。また、給水原価は類似団体平均値を下回り、施設利用率は平均値を上回っていることから施設の効率性は比較的良好と判断される。また、老朽管の計画的な更新や、漏水調査等により、有収率は平均値を大きく上回っており、良好な配管状況を維持している。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却比率は令和2年度で平均値を上回っており施設の老朽化が進んでいると判断される。一方で、管路は計画的に更新及び耐震化を進めており、管路経年劣化率は平均値を下回っている。今後はアセットマネジメントや経営戦略に基づき、適切に施設の更新事業を実施する必要がある。
全体総括
令和2年度は、新型コロナウイルス感染症拡大に係る経済対策として、4ヶ月間の基本料金の免除を行ったため、収益性が低下しているが、減額分は一般会計からの交付金により補填を行っているため、経営の健全性や効率性は良好であると言える。なお、施設の老朽化が比較的進んでおり、今後の施設更新費用の増加が想定されるため、経営戦略に基づいた、計画的な施設の更新と経営の健全性の確保の両立を図っていく必要がある。