経営の健全性・効率性について
手取川扇状地の豊富な地下水を資源として旧町時代からの企業誘致により石川県下最大の工業用水道事業として合計で4セグメントの事業が存在しています。このため、積極的な設備投資と企業の生産活動支援が行われてきた結果、企業債残高対給水収益比率は類似団体平均を大きく上回っています。経常収支比率は類似団体平均をやや下回ってはいるものの100%以上であり、累積欠損金もないことから健全な経営状況と言えます。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は類似団体平均より低いものの緩やかに老朽度合いは進行しており、今後はアセットマネジメント計画を段階的に策定し、更新投資を計画的に行っていく必要があります。今後、管路については、経年化率は急激に上昇していくことが見込まれます。このため、施設の長寿命化を図りながら計画的な更新が必要となります。
全体総括
収益性の観点からは純利益を計上しており経営は概ね健全である。成長性においては企業誘致を推進し事業規模を拡張してきたが、企業債に依存したことで企業債残高対給水収益比率が類似団体を大きく上回り、安全性(資金繰り)が懸念されます。このため中長期的な視点に立った責任水量の確保が必要となります。今後は、施設・管路の老朽化にも対応する必要があることから、段階的にアセットマネジメント計画を策定し、施設の長寿命化と更新を供給先企業の一層の理解を得ながら計画的に進め、独立採算による経営の健全化に努めていきます。