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単年度の指標としては、市税等の基準財政収入額の増等により、0.011ポイント増加した。3ヵ年平均では、近年横ばいで推移しており、人口減少や全国平均を上回る高齢化率(令和3.1月末45.4%)により、依然として類似団体の平均を下回っている状況にある。今後も引き続き「第二次輪島市総合計画」に基づき、主要事業の重点化による投資的経費の抑制や、市債権の適正な管理、市税の収納率向上に取り組み、財政の健全化を図る。
経常収支比率は、森林環境譲与税や地方消費税交付金の増加等に伴い、経常一般財源等の総額が増加したことに加え、経常経費充当一般財源等において職員給の減少、定年退職者の減少や児童扶養手当の減少により全体で減少したことにより経常収支比率が前年度と比較して1.4ポイント減と改善した。よって、経常収支比率は若干改善されたものの依然として高い水準であり、自立した財政運営を行えるよう、今まで以上に事務事業の見直しを強化するとともに、公共施設等の統廃合を積極的に進め、経常経費の削減に努める。
人件費は、会計年度任用職員制度の施行により前年度と比べ増加し、物件費についてもICT推進事業の増加等により、前年度と比べ増加した。今後も引き続き事務事業の見直しを図るとともに、市内にある類似施設や遊休施設の在り方を検討し、経常経費の削減に努める。
職員数は前年度比から微減したが、分母となる住基人口が減少してており、依然として類似団体平均を上回っているため、適切な人員配置に努めるとともに、可能な業務については積極的に民間活力を導入するなど組織の見直しを図る。
令和元年度から大型事業(輪島中学校建設、おさよトンネル建設)の元金償還が開始され、合併算定替及び事業費補正の減などの影響により普通交付税が減少したことにより、前年度比0.4ポイント増加した。標準団体と比較しても地方債残高が多く、公債費比率も高く推移している。また、公営企業への準元利償還金(繰出金)も増加するなど、財政の硬直化が懸念される。
将来負担比率については、前年度に比べ3.2ポイント改善した。その要因としては、地方債残高の増加により将来負担額が増加したものの、財政調整基金に積み立てを行ったことで充当可能財源が増加したことが挙げられる。今後も、財政状況を考慮しながら繰上償還の実施を検討するとともに、新たに地方債を発行する場合は、交付税算入上より有利なものを選択するなど一層の比率逓減を図り、財政の健全化に努める。
人件費は会計年度任用職員制度の施行により、従来、物件費(賃金)に計上されていた額も含むこととなったため0.3ポイント増加した。今後も、人件費関係経費全体について抑制を図るとともに、引き続き給与及び職員数の適正化に取り組み、人件費の抑制に努める。
経常収支比率に占める物件費の割合は、類似団体平均を下回っている。会計年度任用職員制度の導入に伴い、これまで物件費としていた臨時職員の賃金が人件費へ移行等により、比率が0.5ポイント低下した。今後も、公共施設の施設管理費の見直しをはじめ、事務事業の精査を行い経常経費の削減に努める。
経常収支比率における扶助費の割合は、類似団体平均を下回っている。今後も、各種資格審査等の適正化に継続して取り組むとともに、市単独の施策については、財政負担とのバランスも考慮しながら、事業の取捨選択、拡大や縮小を実施する必要がある。
その他の経費については、ほとんどが他会計への繰出金であり、特に下水道事業会計への繰出金が多額であることが要因である。今後も、経費の削減や各種保険料の適正化、公営企業については独立採算性のとれる料金を設定することにより、普通会計の負担低減に努める。
類似団体平均を大きく上回っているのは、消防業務、ごみ処理業務等を一部事務組合で実施しているため、当該一部事務組合への負担金として支出していることが主な要因である。今後も、引き続きこれらの一部事務組合の運営を注視し、適正な運営を求めていく。
平成30年度に約3.2億円の繰上償還を実施したが、依然として類似団体平均を上回る水準にある。今後は近年実施した大型建設事業(輪島中学校建設、本庁舎整備など)の元金償還や、公共施設の老朽化対策などの課題もあり、公債費の増加が見込まれる。今後も、繰上償還の実施の検討や、主要事業の見直し、事業平準化による投資的経費の抑制を図り、公債費の低減に努める。
公債費以外の経費に係る経常収支比率については、類似団体平均を下回っているが、今後も人件費や物件費をはじめとする経費の削減に努めるとともに、補助費等についても事業内容、運営などから不適当と認められるものの廃止、見直し等を含めて検討し、適正化を図る。
(増減理由)主な減の要因は、本庁舎の建設により、まちづくり事業基金を取り崩したことで基金全体の令和2年度末現在高は令和元年度末より228百万円減の5,117百万円となったためである。(今後の方針)今後も、一般財源総額の減少が見込まれるため、今まで以上に事務事業の見直しを強化するとともに、公共施設等の統廃合を積極的に進め、経常的な経費削減に取り組むことで、必要な事業に対する基金取崩しが行えるよう努める。
(増減理由)決算剰余金の40百万円と基金運用利子の2百万円で、今年度は取り崩すことなく決算を組むことが出来た。(今後の方針)今後も一般財源総額が減少することによりさらなる取崩しも想定されるため、事務事業等の見直しを行い、歳出削減に努め、一定の基金残高を確保する。
(増減理由)基金運用利子のみの積立となっている。(今後の方針)起債の償還等において、財政状況を考慮し取崩しも検討する。
(基金の使途)積立額が多い基金については、輪島市総合計画の推進のための「まちづくり事業基金」、老朽化している施設等の統廃合実施のための「公共施設等総合整備基金」、地域福祉の推進を図るための「地域福祉推進基金」などがある。(増減理由)増因過疎地域自立促進特別事業基金45百万円将来の公共施設更新等に備えるため公共施設等総合整備基金に80百万円積立森林環境基金に22百万円積立減因輪島市総合計画を推進するためのまちづくり基金の取崩をはじめ、学校等整備基金など380百万円(今後の方針)今後については、市内の老朽化している遊休施設等の解体の実施や、本庁舎や文化施設の耐震化や建替えなど多額の基金取崩しが見込まれるため、必要な事業を精査しながら基金の取崩しを検討する。
有形固定資産減価償却率は、類似団体内平均値より高い水準になっているが、今後、本庁舎の増築等により指標は改善される。また、今後も公共施設等総合管理計画に基づき、施設の老朽化等に関する管理を行う。
本市の債務償還比率は、昨年度から減少したものの近年の大型事業により類似団体内平均値を上回っており、全国平均、県平均と比較しても債務残高が多いことがわかる。今後は人口減少による税収の減少が見込まれるため、引き続き同比率等を注視した財政運営に取り組んでいく。
両指標とも類似団体内平均値より高い水準となっている。有形固定資産減価償却率は本庁舎の整備により改善される見込みであり、将来負担比率においては事業費の平準化や適正化などにより地方債の発行を抑制し指標の改善を図る。
両指標とも大型事業の実施等により、地方債残高と元利償還金が多いことや普通交付税の減少により類似団体内平均値よりも高い水準となっている。令和3年度以降は大型事業の元利償還金が控えており比率の悪化が見込まれるが、事務事業の見直しや適正化など経費削減を図り比率の悪化を抑制する。
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