経営の健全性・効率性について
・経常収支比率(90.69%)、料金回収率(74.20%)は、減価償却費や維持管理費の増加に伴い、ともに100%を下回っており、また、累積欠損金を計上するなど経営状況は良好とは言えない状況にある。維持管理費や支払利息の縮減に努め、経営健全化に取り組む必要がある。・流動比率(233.72%)は、一年以内の短期債務に対して十分な支払能力がある。・企業債残高対給水収益(967.64%)は、企業債新規発行額の抑制により企業債残高は年々減少しており、前年度を下回っているが、全国平均、類似団体に比べ高い水準にある。・給水原価が供給単価を上回り、料金回収率が100%を下回る状況が続いており、水需要の促進に努めて給水収益の増収を図っていく必要がある。・施設利用率(44.36%)は、全国平均、類似団体に比べ大きく下回っており、水需要が施設規模に見合っていない状況にある。引き続き水需要の促進と施設の統廃合を検討する必要がある。・有収率(78.00%)は、全国平均、類似団体に比べ下回っており、有収率を向上させるため継続的な対策を講じる必要がある。
老朽化の状況について
・有形固定資産減価償却費率(28.23%)は、全国平均、類似団体を下回っているものの今後、施設や管路の老朽化が進行していくものと見込んでいる。・管路経年化率は、平成26年度末が0.00%、27年度末においては6.01%となっており、今後、更新需要の増大が見込まれることから、優先順位の高い管路から計画的かつ効率的に更新事業を進めていく必要がある。
全体総括
・これまで進めてきた建設投資が給水収益の大幅な増収に繋がっているとは言えず、また、施設や管路の更新需要の増大により、経営環境は一段と厳しさを増す見込みである。・今後とも管理経費の縮減に努めるとともに、水需要の促進、施設の統合やダウンサイジング、長寿命化を図ることで更新費用の抑制するなど、健全経営に向けた取り組みが必要である。・経営基盤が脆弱な簡易水道事業については、簡易水道統合計画に基づき平成28年度末で水道事業に経営統合することを予定している。