経営の健全性・効率性について
①経常収支比率については、引き続き、黒字になるよう、経常費用の節減に努める。③流動比率については、低い数値になっている要因は、償還金の元利年払い額が約20億円と非常に高いことによる。今後、元利償還金は減少していく見通しのため、改善されていくと想定される。公営企業会計移行初年度のため、今後、数値の改善に努めていく。④企業債残高対事業規模比率について、毎年、20億円程度償還しているのに対し、発行額は、残高抑制策として年間10億円を上限としているため、全体の企業債残高は減少していく傾向にある。⑤経費回収率について、企業債残高が毎年大きく減少していることから、改善に向かっていく見通しである。今後10年間の経営戦略に基づき、適正な下水道使用料も含め、持続可能な下水道経営のあり方を検討する。⑥汚水処理原価について、企業債残高が毎年大きく減少していることから、改善に向かうものと考えられる。今後、経営戦略を組み立てていく中で、適正な下水道使用料も含め、持続可能な下水道経営のあり方を検討する。⑧水洗化率については、近年97%以上を継続しており、今後も類似団体平均を上回る状態で推移していくものと考えられる。
老朽化の状況について
現在利用されている下水道施設は、大きく、昭和40年代に整備されたもの、昭和63年頃から平成12年頃に集中的に整備されたものに分かれが、特に前者について、今後、急速に老朽化することが予想される。平成29年度に下水道施設ストックマネジメント計画を策定し、今後はこれに基づき、下水道施設における事故の未然防止及びライフサイクルコストの最小化を図っていく。
全体総括
令和2年度に地方公営企業法を一部適用し、あわせて、日野市公共下水道事業経営戦略を策定した。今後は、経営戦略に基づき、将来にわたり安定した事業経営を行っていく。特に、将来の大きな負担として、・維持管理コストの増・人口減少による使用料収入の減が見込まれており、今後、この負担を誰がどのように負うのかを議論していく必要がある。なお、経営戦略については令和3年度から令和12年度までの10年間とし、計画の中間にあたる令和7年度に中間評価、場合によっては見直しを行い、進捗の管理を行っていく。