経営の健全性・効率性について
本市では下水道事業の最適化の一環として、地域特性に応じた汚水処理施設の検討を行い、市街化調整区域の一部を浄化槽整備区域と定め、平成16年度より市設置型浄化槽の整備を推進している。経営の健全性については、①収益的収支比率は100%となったが、収益については一般会計繰入金が79%を占めており、うち71%が基準外繰入金となっている。⑤経費回収率は前年度より0.2ポイント程度増加したが、依然として低く推移している。これは、単年度の収支では赤字補填の一般会計繰入金に依存しており、使用料収入が低いことが原因と考える。④企業債残高対事業規模比率について、集中して設備投資を推進したことから財源である企業債の残高が多く、類似団体より高い水準となっている。しかし、新規の設置基数が減少傾向であり、企業債の償還が借入を上回るため減少傾向にある。費用の効率性の観点から⑥汚水処理原価が類似団体を大きく上回っており、より一層の効率的な汚水処理に努める必要がある。施設の効率性では、⑦施設利用率及び⑧水洗化率が類似団体を上回っており、浄化槽の設置規模(人槽)や使用料対象の捕捉は良好と考える。
老朽化の状況について
更新事業は実施していないが、電気設備などの修繕が増加する傾向にある。
全体総括
本市では、公共下水道と浄化槽の事業を併せて推進することにより、市内全域に汚水処理施設を整備し、公共用水域の水質の保全を図っている。このうち、浄化槽事業は総人口の0.6%を対象に実施しており、公共下水道事業との公平性を考慮した料金体系としている。そのため、使用料水準には課題を有しているが、一方で対象地域が河川の最上流に位置しており、環境への影響が大きいことから、汚水処理費の縮減に努めつつ、今後も確実に事業を推進していく。