経営の健全性・効率性について
令和元年度決算においては、公営企業会計移行に伴って打ち切り決算を行ったことから、出納整理期間中における収入(主に料金収入)及び費用(主に汚水処理費)が計上されていません。①収益的収支比率については、地方債償還金のうち借換分の償還額が多額であることなどが影響し70%台の比率に留まっています。④企業債残高対事業規模比率については、地方債現在高のうち一般会計負担分が減少したことや、打切決算により料金収入が減少したため比率が増となっています。⑤経費回収率については、打ち切り決算に伴う料金収入の減少幅が汚水処理費の減少幅を上回ったため比率が減となっています。公共下水道の普及が進み使用料収入が増加傾向にあることから、来年度以降は比率が増となる見込みです。⑥汚水処理原価については、例年平均値を上回っていますが、打ち切り決算により汚水処理費が減少したため比率は減となっています。主な費用は、流域下水道維持管理負担金と地方債の元利償還金であり、流域下水道維持管理負担金は平成28年度以降、増加傾向にあります。⑧水洗化率については、常に平均値を上回っていますが、さらなる水洗化率の向上に努めます。各指標を参考とし、適切な使用料収入の確保及び汚水処理費の削減に努め、経営の健全性・効率性の向上を目指します。
老朽化の状況について
令和元年度末時点で、供用開始から49年となります。管渠の標準的な耐用年数とされる50年を経過した管渠はなく、大規模修繕等が必要となる箇所はありません。しかし、今後は建設から50年を経過した管渠が増加するため、下水道ストックマネジメント計画に基づく点検・調査を行い、必要に応じて修繕や改築を推進していきます。
全体総括
今後、施設の老朽化、維持管理費の増大等、下水道事業をめぐる経営環境が厳しさを増していきます。令和2年4月からの公営企業会計への移行に伴い、現行の経営戦略を改定し、使用料金の適正化に努めなければならないと考えます。