小鹿野町:国民健康保険町立小鹿野中央病院
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11:埼玉県
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小鹿野町:国民健康保険町立小鹿野中央病院
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経営比較分析表(2020年度)
地域において担っている役割
平成31年4月に療養病棟を廃止し、以降急性期病床45床、回復期病床30床(地域包括ケア病床)で運営している。西秩父地域では唯一の病院である。予防からリハビリまで切れ目のない医療を提供するため、訪問診療、通所リハビリ・訪問リハビリサービスを行っている。また、緩和ケアの対応も行っており、地域に親しまれる病院であるために、地域医療に取組む病院としての役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率→新型コロナウイルス感染拡大により外来・入院・介護サービスいずれも患者数減に伴い減収となり一般会計から追加の繰入を実施した結果前年度比で増となったが、②医業収支比率→減収に伴う一般会計繰入金を医業外収益で受け入れた結果、前年度比で減になった。前年度と比較し入院患者数が減少したものの、療養病床から一般病床へ転換したことから入院単価が高くなり増収となった。③累積欠損金比率→14年度病院の増改築工事を実施したため、多額の減価償却費を計上しており、人口減少、新型コロナウイルス感染拡大による患者数減により収益も伸び悩み厳しい状況が続いている。昨年度に続き、資金不足により追加で1億円超の繰入金を実施し、黒字になったが前年度比で患者数減に伴い医業収益が減となり累積欠損金比率は増となった。④病床利用率→病院全体で95床の許可病床であるが、看護スタッフが不足する中での転換であるため、一般病床、回復期病床ともに30床での運用を行っているため利用率も48.7%となっている。⑤入院患者一人一日あたり収益→アフターコロナの入院患者受け入れにより加算がついたことにより前年度比で微増となっている⑥外来患者一人一日あたり収益→当院の眼科外来で、高額な薬剤を使用する治療患者増、発熱外来の対応により加算が付いたことにより単価が微増⑦職員給与医業収支比率→給与費は前年度に比べ減になったものの入院・外来収益が減となり、医業収益が減になったことから前年度比で給与費の医業収益比率が上がった。⑧材料費→入院患者の減少に伴い医業収益が減、材料費も減により前年度比減となっている。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率、②機械備品原価償却率類似団体と比較し固定資産減価償却率が高いことから老朽化が進んでいると思われる。病院本館は昭和51年建設し40年経過しており、建物の安心・安全を確保するため、平成29年度に耐震工事を実施し、雨漏り対応工事を令和2年度に実施した。機械備品についても類型団体と比較して機械備品減価償却率が高くなっており、医療機器に関しては、有効利用するために、保守点検及び精度管理を定期的に実施し、耐用年数より長く利用している機器が多く、保守点検者の情報により精度が確保されない場合は、機器の更新を行なっている。
全体総括
西秩父唯一の病院であるが、人口減少、高齢化が一段と増したこともあり、医療・経営面のどちらも厳しさが増している。また施設の老朽化も進んでおり、これらの修繕には多額の費用がかかり、小鹿野町単独での運営も非常に厳しい現状である。当院は、経営改善に向けて平成31年4月に療養病棟を一般病床の回復期病床(地域包括ケア病床)に転換を行った。収益は改善傾向であるが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による患者数減少もあり、思うような経営改善は出来ていない。今後は、秩父地域全体で機能分担し、医療を担っていくことが必要になってくると思われる。