経営の健全性・効率性について
・収益的収支比率については、100%を下回っているが、総収益には地方債償還金の財源である一般会計繰入金等が含まれておらず、これらを考慮すれば収支はほぼ100%となり均衡している。・企業債残高対事業規模比率については、類似団体と比較すると大きく上回っているが、要因としては(1)6処理区のうち2処理区において、協定に基づいて市町村に維持管理委託をしていることから料金収入が当団体に入ってこないことや、供用開始からあまり年数が経っておらず償還が進んでいないこと(2)全処理区において資本費回収ができていないことなどがあげられる。なお、建設が一段落したことから、今後は償還が進むにつれて比率は減少していく見込みである。・汚水処理原価については年々低減しているものの、類似団体と比較すると30円程度高くなっている。また、施設利用率については類似団体と比較して10%以上低く、水洗化率も100%には到達せず類似団体よりも低い状況にある。これは主に一部処理区において、供用開始からあまり年数がたっておらず、市町村が実施する公共下水道の整備がすべて終わっていないことや接続率が低い状況にあることが要因と考えられる。
老朽化の状況について
・管渠改善率については、管渠の更新時期が到来していないため、低い数値となっており、類似団体と比較しても同様の数値となっている。
全体総括
・経営面の問題としては、公共下水道整備が完了していないことと接続率の低さがあり、それが各数値に大きな影響を与えていると考えられる。行政部門との連携を図り、関係市町村の公共下水道整備を促進することで接続率の向上につなげて有収水量を増加させる必要がある。また、資本費回収に向けて取り組んでいく必要がある。・管渠については、将来の更新時期の到来を見据え長寿命化計画により更新事業費の平準化を図っていく必要がある。