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基準財政収入額が5.8%増加したものの、基準財政需要額も0.3%増加したため、前年度と同数値に止まり、類似団体平均を0.16ポイント下回った。人口減少や全国平均を上回る高齢化率(令和5年度末48.9%)に加え、町民一人当たりの平均所得が低いこと等により財政基盤が弱く、これは納税義務者数の減少、少子高齢化対策に係る事業費の増加等といった形で、基準財政収入額及び基準財政需要額へ影響を及ぼしている。数値の大幅な改善を見込むことは難しいものの、税の徴収率向上、歳出の徹底した見直しを行うことにより安定した財政基盤の確立に努めていく。
前年度と比較して、大子町役場総合管理業務委託料等の増による物件費の増、人事院勧告に伴う給与改定による人件費の増等により、分子となる経常経費充当一般財源が増加したため、経常収支比率は2.4ポイント上昇し、類似団体平均を3.6ポイント上回った。今後は職員数の適正管理による人件費の削減、基金を活用した地方債発行額の抑制による公債費の削減に努めるとともに、事務事業の点検・見直しを行い、経常収支比率の改善を図っていく。
物件費の上昇により、人口一人当たりの金額は前年度と比較して11,529円上昇し、類似団体平均を大きく上回っている状況である。要因として、人件費については、地理的要因により、町単独でごみ・し尿処理業務、消防業務を行っていることから職員数が多くなっているためである。物件費については、前年度の庁舎移転後の1年未満契約から通年契約になったことにより大子町役場総合管理業務委託料や情報系サ-バ・ネットワ-ク機器賃借料等が増加したためである。これらの経常経費について業務内容や契約内容を精査し、過大にならないよう抑制に努めていく。
勧奨退職や新規採用の抑制等により職員数の削減に努めているものの、初任給の基準の相違、経験年数階層の変動等により類似団体平均と比較して2.6ポイント上回っている。引き続き、中長期的な職員採用計画による職員構成の是正や給与制度の見直しを行い、適正な給与水準の確保に努めていく。
職員数は一般職員が217人で、前年度から4人増加したことや、人口減少や行政区域が広大であること、ごみ・し尿処理業務、消防業務等を町単独で行っていること等から人口千人当たりの職員数は0.72人増加し、類似団体平均を4.78人上回っている。今後も住民サービスの確保に留意しながら、業務の民間委託をはじめとする事務事業の見直しを行うなどにより、職員数の適正管理に努め、定員適正化計画に基づき人員削減に取り組んでいく。
類似団体平均を4.0ポイント下回っているが、前年度より0.4ポイント上昇した。これは、近年の新庁舎建設事業や過年発生補助災害復旧事業(し尿処理施設災害復旧事業)などの大型事業の元金償還開始等による元利償還金の増で分子が増加したためである。今後も大型の普通建設事業の実施を予定しており、値の上昇が予想されることから、引き続き各種事業計画の整理・見直しを図り、充当可能基金への積立などにより交付税算入率が低い地方債の発行を抑制し、数値の改善に努めていく。
類似団体平均を上回り、前年度と比較し3.9ポイント上昇した。主な要因としては、水道事業会計の令和5決算の経常利益がなかったことによる公営企業債等繰入見込額の増、臨時財政対策債の平成15年度分の参入期間終了や発行可能額の減による基準財政需要額算入見込額の減があげられる。今後も交付税算入率が低い地方債の発行抑制や職員数の適正管理に努めるとともに、充当可能基金への計画的な積立てを行うなど財政の健全化を図っていく。
期末手当や勤勉手当等の増により、人件費分の経常経費充当一般財源が増加したことで、前年度と比較して0.9ポイント上昇した。類似団体平均と比較して5.9ポイント上回っているのは、地理的要因から、ごみ・し尿処理業務、消防業務を町単独で行っているため、職員数が多いことが主な要因である。引き続き定数管理・給与の適正化を推進し、また、民間委託の導入を含めた人件費の削減に努めていく。
前年度の庁舎移転後の1年未満契約から通年契約になったことによる大子町役場総合管理業務委託料や情報系サ-バ・ネットワ-ク機器賃借料等の増により、物件費分の経常経費充当一般財源が増加したことで、前年度と比較して1.4ポイント上昇し、類似団体平均と比較すると5.1ポイント上回った。業務の合理化が進む中で、システムの委託料や使用料も高くなっていることから、契約内容を精査し、抑制に努めていく。
予防接種委託料や介護用品事業等の減により、扶助費分の経常経費充当一般財源が減少したことで、前年度と比較して0.5ポイント減少したが、類似団体平均と比較すると0.9ポイント上回っている。高齢化率が48.9%(令和5年度末現在)である本町においては、今後も老人福祉費等に係る扶助費の増加が見込まれるため、事業の内容を精査し適正な執行に努めていく。
修繕料等の増により、維持補修費の経常経費充当一般財源が増加したことで、前年度と比較してその他全体で0.3ポイント上昇し、類似団体平均を0.4ポイント上回った。その他の比率で多くを占めるのが、繰出金の11.5%だが、前年度と比較すると増減はなかった。繰出金は経年で比較しても高い傾向にあるため、今後も各会計における財政の健全化を図り、抑制に努めていく。
和牛乳牛飼料支援助金等の減により、補助費分の経常経費充当一般財源が減少したことで、前年度と比較して0.4ポイント減少した。類似団体平均と比較すると10.9ポイント下回っているが、これは地理的要因から、ごみ・し尿処理業務、消防業務等を一部事務組合等へ委託せず、町単独で行っているためである。今後も各種団体等への補助金の見直し等により抑制に努めていく。
令和2年度借入の災害対策債、過年発生補助災害復旧事業債の元金償還の開始等により、公債費分の経常経費充当一般財源が増加したことで、前年度と比較して0.7ポイント上昇し、類似団体平均を2.2ポイント上回った。今後も大型普通建設事業の予定があるため、基金の積立てや後年度の償還見通しを立てながら、交付税算入率が低い地方債の発行を抑制していく。
前年度と比較して1.7ポイント上昇し、類似団体平均を1.4ポイント上回った。主な理由は、人件費、物件費で経常経費充当一般財源が増加したためである。今後も類似団体平均を上回っている人件費を重点に、物件費、扶助費等についても必要なサービスを確保しつつ抑制に努め、経常収支比率の改善を図っていく。
(増減理由)財源不足に対応するため財政調整基金を65百万円、袋田観瀑施設トンネル内照明改修の財源として大子町観光振興基金を45百万円、それぞれ取り崩した一方、公共施設の整備に要する経費の財源を確保するため公共施設整備基金に350百万円、過疎対策事業債や臨時財政対策債の元金償還に備え減債基金へ27百万円、それぞれ積み立てたこと等により、全体で51百万円の増となった。(今後の方針)財政調整基金及び減債基金については、今後の大型事業等に備え現状維持とする。基金残高全体でも割合が大きい公共施設整備基金は、今後予定している大型事業の財源とするが、一定の額は確保していく。
(増減理由)基金残高は前年度から64百万円減少となった。主な要因としては、財源不足に対応するため65百万円の取り崩しを行ったことよる。(今後の方針)今後の大型事業等に備え現状維持とする。
(増減理由)基金残高は前年度から25百万円増加となった。主な要因としては、過疎対策事業債の元金償還へ充当するため2百万円の取り崩しを行った一方で、臨時財政対策債償還基金費分や過疎地域持続的発展支援交付金等を27百万円積み立てたことによる。(今後の方針)庁舎建設事業や、し尿処理施設建設事業、その後の大型事業等の元金償還に備え現状維持とし、適正な積立額を確保する。
(基金の使途)大子町公共施設整備基金:公共施設の整備に要する資金とするもの。大子町観光振興基金:町の観光振興を図るもの。大子町森林環境譲与税基金:町における間伐、人材育成・担い手の確保、木材利用の促進及び普及啓発等の森林整備及びその促進に要する資金とするもの。大子町文化振興基金:ふるさと大子応援寄附金等を財源として、町の文化の振興に要する資金とするもの。大子町学校教育施設整備基金:大子町の学校教育施設の整備に要する資金とするもの。(増減理由)大子町公共施設整備基金:公共施設の整備に備えて350百万円積み立てたことにより増加した。大子町観光振興基金:やみぞ納付金を8百万円積み立てた一方で、袋田観瀑施設トンネル内照明改修へ45百万円充当したことにより減少した。大子町森林環境譲与税基金:森林環境譲与税を79百万円積み立てた一方で、森林環境譲与税活用事業費へ110百万円充当したことにより減少した。大子町文化振興基金:ふるさと大子応援寄附金等を1百万円積み立てたことにより増加した。大子町学校教育施設整備基金:増減なし。(今後の方針)公共施設整備基金:今後予定している大型事業の財源とするが、一定の額は確保していく。その他の基金については、今後も目的に合わせ、適正な運用をしていく。
当町においては、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設等の延べ床面積を20%削減するという目標を掲げ、老朽化した施設の集約化・複合化や長寿命化に努めている。有形固定資産減価償却率については類似団体より低い水準にあり、資産区分別に見るとインフラ資産が58.1%、事業用資産が66.3%と、事業用資産の老朽化が比較的進んでいるが、し尿処理施設、炊飯施設の建設により、本比率は減少する見込みである。
債務償還比率は類似団体を上回り、令和4年度については、前年度と比較すると131.9ポイント上昇した。これは、普通交付税額及び臨時財政対策債の発行可能額が減少したことにより、分母となる経常一般財源等が減少したためである。人口減少や過疎化が進む中で、税収等の業務収入の大幅な増加は見込めないこと、新庁舎建設事業やし尿処理施設等の大型建設事業により地方債等の債務の増加が見込まれることで、今後も債務償還比率が上昇することが予想される。
将来負担比率については、令和2年度に標準財政規模が増加したことにより当該比率が一時的に減少したものの、新庁舎建設事業や炊飯施設建設事業等の大型建設事業による地方債発行額の増により、上昇傾向にある。引き続き実施しているし尿処理施設建設事業による地方債残高の増加が予想されていることから、今後数年間は増加が見込まれる。一方で、有形固定資産減価償却率については、平均値を下回っている。これは、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設等の延べ床面積を20%削減するという目標を掲げ、老朽化した施設の集約化・複合化や長寿命化に努めているためであるが、教育施設は80%を超え、老朽化が著しいことから、対策を計画的に検討していく。
実質公債費比率は類似団体と比較して低い水準にあり、近年横ばいとなっていたが、令和4年度は標準財政規模の減により、0.3ポイント上昇(令和4年度の数値は、令和5年度に3.6に修正報告している。)した。将来負担比率については上昇傾向にある。将来負担比率が上昇している主な原因としては、前述のとおり、大型建設事業が続いていることによるが、引き続き各種事務事業の整理・見直しを図るとともに、充当可能基金への計画的な積立を行うなど、公債費の適正化に努めていく。