経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は122.30%であり,類似団体と比較して11.13ポイント上回っている。償却計算の見直しに伴い,減価償却費が減少したことから,経常収支比率が上昇した。今後も引き続き営業費用の削減等による経営改善を進めていく必要がある。③流動比率は1,003.93%であり,類似団体と比較して大きく上回っている。流動資産が減少傾向にならないよう現状を維持していきたい。④企業債残高対給水収益比率は3.28%であり,類似団体と比較して大きく下回っている状況にある。その要因は,平成13年度から起債借入はなく,建設改良費の財源不足には内部留保資金等を活用していることによる。⑤料金回収率は114.89%であり,類似団体と比較して11.57ポイント上回っている。また,⑥給水原価は161.85円であり,類似団体と比較して6円71銭下回っている。これらは,償却計算の見直しに伴い経常費用(減価償却費)が減少したことによる。今後も費用の抑制に努める等,収支バランスをより適正に保つことが必要となる。⑦施設利用率は83.67%であり,類似団体と比較して24.16ポイント上回っている状況にある。引き続き適切な施設規模による安定した配水形態の維持に努める。⑧有収率は96.63%であり,類似団体と比較して9.55ポイント上回っている状況にある。その要因は,市全域における老朽化した石綿管や鉛製給水管の計画的な更新等により漏水件数を抑制できていることが考えられる。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は73.58%であり,類似団体と比較して25.03ポイント上回っている。今後,施設の老朽化が進んでいくことから,適切な施設整備が求められる。②管路経年化率は3.22%であり,③管路更新率等は0.13%となっており,類似団体と比較して下回っている状況にある。施設整備等についてはアセットマネジメントや経営戦略を踏まえた適切な管路の更新を実施していく。
全体総括
上記の各指標から判断すると,経営の健全性や効率性の向上に,より一層の取組が必要であり,コスト削減に向けた水道事業経営が必須となる。また,施設の老朽化等により,今後莫大な資金が必要となることから,資金の確保など経営の改善等を図っていかなければならない。