経営の健全性・効率性について
①令和2年度からの法の一部適用による打ち切り決算により、例年4月及び5月に収入していた使用料収入が次年度の収入になったことに加え、整備費が前年比2千万円程度増加したため、経常収支比率は低下した。引き続き、整備区域の拡大や新規接続を促すことで使用料の増加を図る。②企業債は、面整備に伴う管渠築造工事の財源として現在も発行しているが、借入残高は処理場建設で借り入れた分の償還が進んでいるため減少している。企業債残高対事業規模比率については、償還に係る費用を全て一般会計で負担しているため0%となっている。⑤経費回収率については、令和2年度からの法適用により3月末日で打ち切り決算となったことによる一時的な収入額の減少により低下した。⑥汚水処理原価については、施設利用率が低いことから、類似団体及び全国平均より高い。また、上記のとおり整備費が増加したことで、前年比で増加している。有収水量の増加を図りつつ、汚水処理費の削減を進める必要がある。⑦施設利用率は、面的な整備率の低さと人口減少の影響から類似団体や全国平均と比べて低い状況にある。面整備を推進し、処理水量の増加を図る必要がある。⑧水洗化率は、集中合併処理浄化槽を採用していた住宅団地や集合住宅の接続に伴い、類似団体より高い。
老朽化の状況について
当市の公共下水道は平成17年10月に供用を開始した比較的新しい施設である。集中合併処理浄化槽を廃止して下水道に編入した区域内には40年以上経過した管路も存在するが、定期点検を行いつつ、小規模な修繕で対応している。今後は、ストックマネジメント計画に基づき、計画的な点検・修繕を行う必要がある。なお、平成27年度の管渠改善率が3.38%となっているが、誤計上によるもので、正しくは、0.00%である。
全体総括
現在、面的な整備状況を改善すべく供用面積の拡大に向け整備を進めている。今後10年間は、計画区域内で人口が密集しているJR磯原駅周辺を優先的に整備する予定である。整備と並行し、下水道への接続を推進し、施設利用率の向上に努める。また、ストックマネジメント計画に基づき、施設の計画的な更新と支出の平準化を図る。