経営の健全性・効率性について
◆H27以降の繰出基準の見直しにより、経営改善が図られているデータ結果となっているが、収益的収支比率、経費回収比率ともに単年度収支は赤字が続いており、企業債規模の大きさが収支圧迫の要因となっている。◆企業債償還額と営業収益の増加により、企業債残高対事業規模比率は相対的に減少傾向にあるが、類似団体平均値を上回っている状況が続いており、投資規模の適正化を図る必要がある。◆汚水処理原価は、水洗化率の向上に伴う有収水量の増加により類似団体を下回る結果となったが、全国的に見れば高い水準に位置しており、汚水処理コストの縮減に向けた取組が必要となっている。◆更なる収支改善を図るためには、適正な使用料収入の確保と施設効率の改善が必要となる。下水道使用料は全国的にみても高水準にあるため、水洗化率の向上に努めるとともに、運営体制や今後の投資の在り方について見直し、計画的に事業の進捗を図る必要がある。
老朽化の状況について
管路施設は、供用開始から13年とまだ日が浅く、老朽化対策等は行っていないが、H28に策定したストックマネジメント計画に基づき、重要度の高い施設から順次点検・調査を実施し、改築・更新等の対策を計画的に行っていく予定である。なお、管渠改善率における平成26年度の更新投資は、老朽化に伴うものではなく東日本大震災に起因する管渠の布設替経費である。
全体総括
下水道の整備計画は、H39を概成年度としているが、投資効果を検証して見直しを行った結果、H32で整備を終了することとしている。今後は、経営環境が厳しさを増す中で、企業債償還期間も長期にわたることが予想され、計画的な経営基盤の強化と財政マネジメントの向上が求められる。このため、平成31年4月に予定される公営企業会計への移行とともに、経営戦略やストックマネジメント計画に基づく経営の効率化と健全化を図る必要がある。