経営の健全性・効率性について
・令和2年度は、地方公営企業会計基準を適用してからの初めての決算となっています。・①経常収支比率については、100%を下回っていることから、単年度収支は赤字となっています。法適用の初年度に伴う令和元年度末での打切り決算の影響で、未収金が発生したことも挙げられますが、主に汚水処理経費に対する使用料収入の不足が要因と考えられますので、使用料の見直しを含めて経営改善を図っていきます。・②累積欠損金比率において、利益を上げられる体質になっていないことから、累積欠損金が発生しました。経営戦略を基にした財政計画の見直しを行い、適切な事業運営を行っていきます。・③流動比率について、類似団体の平均値を上回っている状況となっているのは、法適用初年度において、一般会計から出資を受けたことによるものと考えられます。しかし、100%を下回り、短期的な支払いにおいて資金的に余裕がないことから、流動負債が増加しないよう新規の企業債発行を抑えて改善を図っていきます。・④企業債残高対事業規模比率について、類似団体と比較して低い数値となっているのは、企業債償還金を一般会計からの繰入金に依存していることによるものです。今後は、企業として、一般会計繰入金の依存度を下げるよう適切な使用料収入の確保に努めていきます。・⑤経費回収率については、82.30%と本来使用料で回収すべき経費を賄えていないことから、使用料の適正化や経費削減を図り、改善につなげていきます。・⑥汚水処理原価については、地理的要因で建設費が割高になっていることも想定されますが、新たな整備を控えるなど、効率的な投資を行っていきます。・⑧水洗化率においては、類似団体の平均値となっていますが、普及活動などを通して接続率の向上に努めていきます。
老朽化の状況について
・①有形固定資産減価償却率については、類似団体の平均値を大幅に下回っており、資産の老朽化は低い状態にあります。今後、法定耐用年数を超える資産の時期が重なることから、更新に備え、次年度においてストックマネジメント計画の策定に着手し、計画的な老朽化対策を進めていきます。・②管渠老朽化率及び③管渠改善率については、法定耐用年数を経過していないことや改修等がないため、0%となっています。
全体総括
・令和2年度は、赤字決算となり不安定な経営基盤となっている状況が明らかになりました。このような状況を改善するため、未普及対策として、下水道全体計画における区域の見直しを行い、投資費用の縮減を図るとともに、経営戦略や次年度において策定するストックマネジメント計画に基づき、経営成績や財政状況を明確にし、一般会計繰入金の依存度を下げ、適切な使用料水準を視野に入れた見直しに取り組んでいきます。