地域において担っている役割
民間の医療機関が存在しない地域における医療の提供を維持し、不採算地区病院となった現在ではなおさらの事、可能な限り行政と密着した「保健・福祉・医療」の連携を図り、患者の健康を守り、在宅で安心して生活できる環境を確保してまいります。平成5年8月より救急指定告示病院となり、夜間や、土曜・日曜・祝日の診療を行い、救急体制の確保を図っています。
経営の健全性・効率性について
令和2年度開始時点で1名のみであった常勤医師が、令和2年度末に退職予定でありましたが、令和2年12月末まで後任の常勤医師の確保の目途が立っていなかったこと等により、年度途中から入院患者を転院させる措置をとっておりました。それに伴い、④病床利用率が48.4%と、令和元年度以前と比べて大幅に減少しました。さらに、④病床利用率の大幅な減少により、それまで小幅な減少が続いていた①経常収支比率及び②医業収支比率が大幅に減少、小幅な増加が続いていた③累積欠損金比率等が大幅に増加することとなりました。
老朽化の状況について
③1床当たり有形固定資産は類似病院と比べても大幅に低く、過大な投資は行ってはいないと言えます。対して、①有形固定資産減価償却率及び②器械備品減価償却率が類似病院よりも高く、老朽化している有形固定資産が、類似病院と比べて多くあることから、経営状況も鑑みながら、施設及び設備等の計画的な更新が必要と考えております。
全体総括
喫緊の課題は、①経常収支比率を改善することであると考えております。そのためには、令和2年度に大幅な減少となった④病床利用率を改善させるために、令和2年度の転院措置により減少した入院患者を増加させる必要があると考えております。さらに、令和2年度に改定を予定していた新病院改革プランは、新型コロナウイルス感染症等の問題により改定を保留しておりましたが、今後、新病院改革プランの改定を行い、財政部局と協議を進める必要があると考えております。また、令和2年度には有識者による専門部会を開催し、「提言書」が提出され、近い将来の蔵王病院の在り方を検討するよう提言があったことを踏まえ、町当局と真摯に議論をする必要があると考えております。