03:岩手県
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岩泉町
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財政力指数は、人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(令和5年度末46.88%)に加え、町内に中心となる産業がないこと等により、財政基盤が弱く、類似団体平均を0.19ポイント下回っている。経常経費の削減、まちづくり計画に沿った施策の重点的な実施に努め、活力のあるまちづくりを展開しつつ、行政の効率化に努めることにより、財政の健全化を図る。
経常収支比率は、類似団体平均を9.4ポイント上回る状況である。主因としては、補助費等、人件費が増加(経常経費充当一般財源:対前年度3.23%)し、一方、地方交付税交付金や地方消費税交付金の減少(経常一般財源総額等:対前年度:-2.8%)が挙げられる。事業精査により経常経費の削減を図ると同時に財源の確保に努め、財政の弾力性確保する必要がある。
人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、類似団体平均と比較し、73,996円高い状況にある。当町は、広大な面積に集落が点在しており、他団体よりも多くの行政コストを要する状況にあるためである。引き続き、行政コストの削減に努める。
ラスパイレス指数は、前年度より0.1ポイント増加し、類似団体平均を0.5ポイント上回った。同水準を維持しつつ、地域における民間給与水準の適正な反映等により、給与の適正化に努める。
人口1,000人当たりの職員数は、類似団体平均と比較し、5.26人多い状況にある。平成28年台風第10号災害以降、災害復旧に従事する職員の採用を進めたことが影響している。広大な面積を有する当町において、職員数減による行政効率化は難しい側面があるものの、災害復旧事業も終盤となったことから、適正な定員管理について検討を進める必要がある。
実質公債費比率は、令和3年度決算数値と令和5年度決算数値の差により減少となったが、依然として類似団体平均よりも高い状況である。なお、令和元年度からの過疎対策事業債の償還開始(0.6億円)により、元利償還金が増加したため、単年度では増加となっており、今後も同水準での推移が想定されていることから、将来を見据えた健全財政の運営に努める必要がある。
将来負担比率は生じていないが、平成28年台風第10号災害に係る災害復旧事業債の発行により地方債償還額が高水準となっていることから、事業実施の適正化を図り、財政の健全化に努める。
人件費に係る経常収支比率は、制度改正による消防団報酬や会計年度任用職員報酬の増加により、対前年度で1.8ポイントの増加し、類似団体平均を0.5ポイント上回った。各種制度改正には対応しつつも、適切な定員管理により、人件費の削減に努める必要がある。
物件費に係る経常収支比率は、前年度同値となった。対前々年度比で0.4ポイントの増加であるが、前年度同様に物価高騰等の影響が考えられる。広大な面積を有し、町有施設を多く保有しているものの、類似団体平均は3.1ポイント下回る状況となっているが、引き続き、計画的なコストの削減を進め、同水準の維持に努める。
扶助費に係る経常収支比率は、前年度同値となった。扶助費の主たるものとして児童手当があるが、人口減少により、今後の大幅な増加は見込まれないが、今後の制度改正や、国の施策による給付金事業の状況によっては、若干の変動があるものと推測している。
その他に係る経常収支比率は、前年度比0.9ポイントの増加となり、類似団体平均を0.2ポイント上回っている。これは、下水道事業の企業会計移行に伴う経営安定化資金として今年度限りの繰出を行ったためである。次年度以降は、通常の繰出となるため、令和3年度及び令和4年度程度となるものと見込んでいる。また、企業会計については、独立採算の観点から料金等の見直しを検討するなど、一般会計の負担軽減に努める。
補助費に係る経常収支比率は、類似団体平均を2.2ポイント下回ったものの、前年度比1.8ポイントの増加となった。過去3年で増加傾向にあり、これは、各種物価高騰対策事業等の実施によるものである。次年度においても物価高騰対策事業の実施が見込まれるが、その他の補助事業においては、計画的に見直しを行い、経費の削減に努める。
公債費に係る経常収支比率は、前年度より1.2ポイント増加した。平成28年台風第10号災害以降、公債費の割合は類似団体内においてかなり高い状況が続いている。計画的な借入と償還に努め、公債費の削減する必要がある。
公債費以外の経常収支比率は、対前年度4.5ポイント増加した。類似団体平均は下回っているものの、令和元年度以降増加傾向にあり、多角的に経費の圧縮に努め、引き続き、財政の弾力性の確保に努める。
(増減理由)複合施設建設事業費に充てるため、公共施設等整備基金を310百万円積み立てた一方で、財政調整基金及び減債基金の取り崩しを行い、基金全体では、265百万円の減少となった。(今後の方針)平成28年台風第10号災害で借り入れた地方債及び平成26年から平成28年度までに行った大型事業の償還が始まっていることから、減債基金を都市崩す予定としている。また、新規の施設整備を行っていることから、公共施設整備等基金を取り崩す予定としている。
(増減理由)一般財源の減少による不足を補うため、取り崩しを行い、令和5年度末残高は、昨年度から208百万円減少し、2,356百万円となった。(今後の方針)財政調整基金の残高は、標準財政規模の20%程度が適正と考えており、1,229百万円程度となるよう努める。また、予算編成及び予算執行(社会情勢等を含む。)の状況を鑑み、適宜基金を活用していくこととしている。
(増減理由)償還のため、取り崩しを行い、令和5年度末残高は、昨年度から368百万円減少し、2,374百万円となった。(今後の方針)平成28年台風第10号災害等で借入した地方債及び平成26年度から平成28年度までに行った大型事業の地方債の償還が始まっており、令和5年度が償還のピークであった。今後は緩やかに減少傾向となる見込であるが、大型事業が予定されていることから、数年後には再び増加傾向に転じる見込みであることから、適宜、基金を活用してくこととしている。
(基金の使途)・公共施設等整備基金:町が行う公共施設その他の施設の整備に充てるもの。・高齢者福祉基金:高齢化社会に対応した施策を推進し、高齢者福祉の増進に資する事業に充てるもの。・日本短角種肥育素牛導入資金貸付基金:日本短角種の肥育素牛を導入する資金の貸付を行う事業に充てるもの。・森林環境譲与税基金:森林整備及びその促進に関する費用に充てるもの。・ふるさと岩泉水と土保全基金:土地改良施設の有する多面的機能及び地域資源の保全とその利活用に係る地域住民活動の強化に対する支援事業に充てるもの。(増減理由)・公共施設等整備基金:複合施設建設事業費に充てるため、310百万円を積み立てたことによる増加。・高齢者福祉基金:増減はなかった。・日本短角種肥育素牛導入資金貸付基金:返還額が貸付額を上回ったため、19百万円を積み立てたことによる増加。・森林環境譲与税基金:事業の実施に伴い、61百万円の取り崩しを行った一方、60百万円を積み立てたことによる減少。・ふるさと岩泉水と土保全基金:増減はなかった。(今後の方針)・公共施設等整備基金:新規の施設整備を行っていることから、計画的に取り崩しを行う予定である。・高齢者福祉基金:現時点では、増減の予定はない。・日本短角種肥育素牛導入資金貸付基金:現在の規模で畜産事業者への貸付支援を行う予定である。・森林環境譲与税基金:事業規模の拡大により、取り崩し額も増加する予定である。・ふるさと岩泉水と土保全基金;現時点では、増減の予定はない。
有形資産減価償却率は、前年度から1.7ポイント増加し66.6%となった。類似団体平均値を0.5ポイント下回っている状況であるが、施設等全体で老朽化は進んでいることから、個別施設計画等に基づき、施設の維持管理等の適正化を進める必要がある。
債務償還比率は、前年度から36.9ポイント減少し、280.7%となった。類似団体平均値を52.6ポイント下回っている状況で、これは、一部の地方債の償還が完了し、地方債残高が減少しているためである。昨年度に続き、類似団体平均値を下回ってはいるものの、今後も地方債の発行を抑制し、減債基金の積立等を計画的に行っていく必要がある。
将来負担比率は、令和元年度決算から発生していない。有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値から0.5ポイント低い状況となっているが、平成28年台風第10号災害以降、災害復旧事業を最優先で進めていたことから、老朽化対策等を十分に進められず、増加傾向にある。今後は、個別施設計画等に基づき、施設の維持管理等の適正化を進める必要がある。
将来負担比率は、令和元年度決算から発生していない。実質公債費比率は、類似団体平均値よりも高い状況にあるが、昨年よりも0.5ポイント減少した。類似団体平均値よりも高い要因は、平成27年年度までに実施した複数の公共施設整備に加え、平成28年台風第10号災害に係る災害復旧事業により、元利償還金が高い水準にあるためである。実質公債費比率は、今後も同程度又は微減で推移すると予測されることから、これまで以上に公債費の適正化に取り組む必要がある。