地域において担っている役割
当院は、津軽地域医療圏の中核的な病院として、市民の健康を守る責務を担い、医療を提供している。
経営の健全性・効率性について
健全性について、平成27年度までは医業収支比率、経常収支比率ともに平均値に近い値であり、比較的安定していたと言える。しかし、平成28年度から患者数の減少に伴い収益が減少し、令和2年度においても、患者数の減少傾向に歯止めがかからず、患者数の減少による収支不足を、一般会計からの繰入金により補うことにより、経営を維持している状況である。効率性について、医業収益の減少などにより、令和2年度は前年度に比較して給与費比率が上昇している。材料費比率についても、前年度より比率が上昇しているため、可能な限り効率的な使用を目指したい。
老朽化の状況について
施設全体、器械備品ともに減価償却率が平均より高く、実質的な資産価値の減少幅が大きいことを意味している。1床当たり有形固定資産額についても、平均値を大きく下回り、適切な投資がなされていないことを示している。当院は昭和46年の建設から約50年経過しており、数値上は早急な建替が必要と考えられる。しかしながら、「新中核病院の整備及び運営に係る基本協定」(平成30年10月4日、国立病院機構・弘前市・青森県・弘前大学の4者により締結)により、当院は、新中核病院の稼働に伴い閉院(令和4年3月31日)することとなったため、施設修繕や建設改良工事は最小限に留めることとしている。
全体総括
当院は現在、「新中核病院の整備及び運営に係る基本協定」に基づき、国立病院機構弘前病院との統合による新中核病院(令和4年4月1日開設)の整備を目指すとともに、令和3年度末での閉院に向け、必要な作業を進めているところである。令和2年度は、患者数の減少傾向に歯止めがかからず、患者数の減少による収支不足を、一般会計からの繰入金により補うこととなった。このような厳しい経営状況ではあるが、新中核病院が開設されるまでは、診療機能を維持し、地域医療の中核的な担い手としての役割を果たして参りたい。