経営の健全性・効率性について
水道料金は、平成29年度に全体で約5.6%の値上げを行い、これにより給水収益が増加し、経常収支比率や料金回収率などを改善することができたが、令和元年度からは減少傾向となっている。有収率は減少傾向にあり、その要因は、給水装置や水道施設の老朽化に伴い漏水が発生しており、機動的な漏水調査により早期発見・修理に努めているが、有収率の向上に至ってない状態である。給水収益は、令和2年度において、家事用では新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛などの影響により、巣ごもりによる水需要が高まったことで微増となった。一方で、業務用では新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛などの影響により、公共施設等の利用が減少したことに加え、基幹産業である水産関連の低迷により減少となった。令和4年度からは、独立採算の原則の下、効率的な経営と適切な料金見直しにより水道料金を改定し、経営基盤の強化を図り、健全な経営に努める。
老朽化の状況について
水道管路の老朽化は増加しており、総延長約160㎞の内、布設から40年以上を経過している管路は76.4㎞と全体の48%を占めており、法定耐用年数を超える管が今後増えていく状況である。人口や産業活動を考慮し、今後の水需要の見通しから管網の見直しを図りながら、更新優先度を考慮した上で計画的に重要施設の更新を進める必要がある。
全体総括
アセットマネジメントから得られた情報から、緊急度に応じた投資順を計画し、水道施設の効率的な更新を検討すると共に、今後減少が予想される給水収益を見据えた収益と費用を検証し、健全な経営に努める。