地域において担っている役割
町内唯一の入院医療施設であり、池田町をはじめ、東十勝地域の住民生活の安心安全の要となる病院として下記の役割を担っている。①プライマリケア(総合医療)を主とした医療機能の確保②夜間及び救急時の救急医療体制の確保③入院機能は地域包括ケア病床を活用し回復期の機能を中心とした病床の確保④人工透析や専門外来など住民のニーズに沿った医療の確保⑤在宅医療の充実に向けた取組の強化⑥健診や予防接種等の予防事業の推進
経営の健全性・効率性について
表①~⑧の傾向から、経営状況の改善に向けた取り組みが必要である。医業外収支においては、企業債利息等固定的な費用とそれら費用に対する負担金等で構成されているため、経営状況の改善には、医業活動における医業収支の改善が必要となる。しかし、池田町は指定管理者制度を導入しており、医業収益は指定管理者に帰属することとなっているため、医業収支の改善は見込めない状況となっている。このことから、今後も赤字を最小限に抑え、効率的な病院運営に努めていく必要がある。人口の減少や少子高齢化が進む中、地域医療の確保は重要な課題であり、不採算の改善のため、材料費等の経費の削減を図り、質の高い医療の提供を保ちつつ効率的な医業活動に努めていく必要がある。
老朽化の状況について
表①より、施設は老朽化していない。本施設は平成23年9月8日に新築され、施設改修の必要性は、現時点では見込まれない。表②は平均値を上回っているので、医療器械については、減価償却率を鑑み計画的な更新をしていく必要がある。表③より、病床数に対する有形固定資産の割合が平均値を超えているが、人口が減少している地域における医療施設の在り方を考慮し、効率的な資産の活用を図り、質の高い医療の提供を目指していく必要がある。
全体総括
池田町の町立病院は、地域偏在による医師不足・過疎化による患者数の減少・自治体の財政状況の悪化等、厳しい経営状況の中、民間活力を導入した経営形態への移行により、自治体病院として健全経営を目指し、平成23年10月1日から指定管理者制度を導入し「十勝いけだ地域医療センター」として新たにスタートした。これにより専門外来科目を充実させ、住民ニーズに応じた医療の提供が可能となり、指定管理者である公益社団法人地域医療振興協会の専門的なノウハウにより、医師をはじめとした医療スタッフの確保が図られ、池田町をはじめ、東十勝地域住民の安心と安全が確保されるようになったことは、大きな成果ととらえている。