地域において担っている役割
地域の医療水準を守るため、常勤医不足が続く中でも総合病院的医療を提供するとともに、全診療科24時間、365日対応する救急医療や、子どもを安心して産んで育てる環境づくりのため周産期・小児医療を提供しています。災害拠点病院や第二種感染症指定医療機関の指定を受け、必要時に適切な医療を提供できる体制を維持しています。研修医の教育や医学生の臨床実習の提供など、医療人育成の役割を担っています。
経営の健全性・効率性について
地域包括ケア病棟の本格稼働により、患者の状態やニーズにあった病棟運用、提供する医療の質を高めることなどで⑤⑥が上昇し、①②も改善しています。しかし、依然として常勤医が不足し、診療を維持するための出張医の経費が嵩んでいることなど、経営は厳しい状況が続き、③は類似団体の平均を大きく上回っています。医師不足が解消されないため、病床削減(平成29年度、54床)後も④は向上しません。⑦は国交準拠により、⑧は価格交渉や後発薬品の採用率向上などにより、比率は類似団体の平均を下回っています。
老朽化の状況について
医療情報システムの更新事業により有形固定資産(器械及び備品)が増加したことから②は減少し、類似団体の平均を下回りましたが、平成13年度の病院建設から18年が経過し、①は類似団体の平均を上回り、老朽化が進んでいます。現在の設備の長寿命化を基本とした、施設設備の計画的な更新・修繕等が必要となっています。
全体総括
全国的な医師の地域偏在による医師不足や地域の少子高齢化・人口減少が進む中、当院においても常勤医不足が解消されず、今後も非常に厳しい経営状況が続くことが予想されますが、積極的な医療人育成の取組により、翌年度の初期臨床研修医の応募の増加や総合診療専門研修の専攻医の採用など、明るい兆しも見えています。令和2年1月に道内で最初の感染者が発見された新型コロナウイルス感染症への対応も含め、担っている役割を果たしていくとともに、地域に必要とされる医療の提供体制を守っていきます。