経営の健全性・効率性について
①・⑤について①収益的収支比率は、100%前後で推移しており、黒字経営をしているが、⑤経費回収率を見ると70%台にとどまり、使用料収入のみでは賄えていないのが現状である。①に関し、前年度と比較して微増しているが、総費用のうち、主に職員給与費が約30%減少したことが要因と考えられる。また、⑤に関し、前年度と比較すると横ばいである。維持管理費を前年度より約10万円削減したが、使用料収入も同額程度減少したため、経費回収率の上昇につながらなかったと考えられる。④について④企業債残高は、毎年計画的に償還しており、類似団体の平均値と比較してもかなり低い水準を維持している。しかし、企業債の償還には一般会計からの繰入金により賄っている状況にある。⑥について⑥汚水処理原価は、類似団体平均値より下回っているが、前年度より増加している。有収水量が約3%減少しているが、汚水処理費を大きく削減できていないのが原因と考えられる。有収水量に見合った費用となるように維持管理費を削減し、費用の効率性アップにつなげなければならない。⑧について⑧水洗化率が類似団体平均値より下回っているため、単独処理浄化槽世帯の合併処理浄化槽への転換を促進し、環境保全と使用料収入につなげなければならない。
老朽化の状況について
苓北町では、特定地域生活排水処理事業を平成10年度から開始しており、それ以前に個人で設置し、移管された合併処理浄化槽についても清掃及び保守点検並びに法定検査を受検し、適正な維持管理を行っている。耐用年数について、浄化槽躯体が30年、ブロワ等の付属機器が7~15年と言われている。付属機器については、経年劣化により故障等が発生した際に交換をしているが、浄化槽躯体については、使用方法次第では著しく劣老朽化や劣化が生じているものがある可能性もある。大規模な修繕や浄化槽の取替等で多額の経費が必要となる前に、清掃や保守点検時に早期発見し、修繕を行い長寿命化を図っていく。特に、事業開始以前に設置された浄化槽については、注意して維持管理を行っていく。
全体総括
収入については、独立採算が原則であるが、使用料収入のみで賄えておらず、5割以上は一般会計からの繰入に頼っている。平成28年度の料金改定も、高齢者世帯への減免措置に加え、人口減少に伴う休止等により使用料が減少傾向にある。下水道や農業集落排水事業区域外において、未だに汲み取りや単独処理浄化槽の世帯が存在するため、合併処理浄化槽への積極的な転換を促進し、使用料収入及び水洗化率の向上、水環境の保全につなげていかなければならない。また、現在の使用料が本当に適切なのか、料金改定の必要性についても検討する必要がある。また、大規模な修繕が発生しないように適正な維持管理に努め、不要な支出が発生しないようにする必要がある。経営戦略については、現在は策定していないが、平成32年度までに策定を予定している。