経営の健全性・効率性について
平成27年度から地方公営企業会計に移行し、5回目の決算となりましたが、①経常収支比率は、前年度比5.25%増加したものの、100%未満で単年度収支が5期連続の赤字となりました。⑤経費回収率についても前年度比0.56%の増加したものの、100%未満で汚水処理費用を使用料収入で賄えていない状況であり、依然として一般会計からの繰入金に依存した経営となっています。営業収益に対する累積欠損金の状況を表す②累積欠損金比率は、前年度比0.17%減少し、48.75%となりわずかに向上しました。これは、当年度の総費用が総収益を上回り、欠損金が発生したものの、令和元年9月分からの下水道使用料の値上げにより営業収益が増えたことによるものです。累積欠損金を解消するためには、当年度の欠損金を減らす若しくは発生させない必要があり、建設費や維持管理費について、効率的、計画的に取り組むことによってコストを抑制していく必要があります。④企業債残高対事業規模比率は、企業債残高の減により73.93%の減となり、類似団体平均値より若干低い状況となりました。⑦施設利用率は、平成28年度より単独公共下水道を流域下水道へ接続したため値なしとなっています。
老朽化の状況について
昭和56年の供用開始から40年が経過しようとしており、施設の老朽化により電気設備・機械設備の改築・更新の必要性が高くなっています。このことから、施設の不具合による機能停止等を防ぐため、長寿命化計画やストックマネジメント計画に基づき、改築・更新を計画的に進めていきます。また、老朽化対策と合わせて、耐震化も進めていきます。
全体総括
認可区域の整備についてはほぼ完了し、今後は維持管理及び改築更新が主な事業となっていきます。さらに今後、本格的な老朽化対策が求められることから平成30年度から2か年かけてストックマネジメント(資産の老朽化と更新にかかる計画)を策定し、更新事業を計画的に進めていく予定です。熊本北部流域下水道への接続により、廃止となった処理場の解体工事費用や国庫補助金返還等で令和2年度は負担が増加する見込みです。本市は今後数年は人口増が見込まれますが、いずれ人口が減少していくことが予想されるため将来を見据えた経営が必要と考えています。持続可能な下水道事業経営のため、平成30年度に策定した「下水道事業経営戦略」に基づき、経営基盤の強化と財政マネジメントの向上を目指します。