地域において担っている役割
総合周産期母子医療センターを中心とした小児・周産期医療、24時間・365日体制での救急医療、生活習慣病やがんなどに対する専門的な急性期医療、感染症医療などの政策医療を柱とし、地域の基幹病院としての役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
熊本地震被災により、入院機能を担う2棟が使用できなくなったことから入院収益が95%減少するなど、収支が大幅に悪化し累積欠損金が増大した。令和元年10月、新病院に移転し本格的な診療開始となったため、医業収支比率は改善傾向にあるが、移転に伴う費用の増大等により経常収支比率は低い水準のままとなった。なお、医業収益が増加し累積欠損金比率については減少したものの、累積欠損金の解消には長期間を要するため、今後も経営改善に努める。
老朽化の状況について
建物3棟のうち、かねてより老朽化が進んでいた2棟について、平成28年4月に熊本地震被災により使用不能となったことから解体が余儀なくされた。令和元年10月、新病院へ移転し、建物のみでなく医療機器等も大幅な整備を行ったことにより有形固定資産減価償却率、器械備品減価償却率ともに大幅に減少したもの。旧病院跡地に残っている建物1棟については、令和元年度、減損会計を適用し帳簿価額を減額した。
全体総括
令和元年10月、新病院に移転し、熊本地震以降制限されていた入院・外来診療を再開した。診療再開により医業収益は増加したものの、熊本地震被災以降の収支悪化による資金不足に対しては、平成28年熊本地震減収対策企業債の起債をもって充当している。今後は、収益・費用の効率化による経営の健全化に努め、増大した累積欠損金の解消、計画的な減収対策企業債の償還を行う必要がある。