経営の健全性・効率性について
収入増の重要な要素である水洗化率は90%を超えているが、経費回収率は類似団体平均値より低く、汚水処理原価は類似団体平均値より高い状態である。これは、使用料等に対して汚水処理費が高いことが要因として挙げられる。また、収益的収支比率が減少した要因は、前年度からの繰越金が増加し、他会計繰入金が減少したことによるものである。平成26年度に料金改定を行ったが、経費回収率は類似団体平均値を下回っており、料金改定・経費削減等の必要はあるものの、3施設ある内の1施設が離島(高齢単身世帯が多く、料金収入が低い)にあるなど地理的要因等による限界もあり、一般会計からの繰入金に頼らざるを得ないのが現状である。
老朽化の状況について
法定耐用年数を経過した管渠はなく、管渠更新の必要性は低いが、汚水処理施設については供用開始から20年以上経過した施設もある。今後は点検・劣化度調査等の結果に基づく計画的な更新等を行う必要がある。
全体総括
施設の老朽化に伴い維持管理費や施設改修費の増大が見込まれるが、人口減少により料金収入の増収が見込めないことから、引き続き一般会計からの繰入金に頼らざるを得ない状況にある。今後も施設の維持管理の更なる効率化や老朽化した施設の更新費用の低減・平準化、料金改定を行っていく必要がある。また、平成28年度から地方公営企業法の適用に向けて準備を進めており、令和2年度以降は公営企業会計として中長期的な経営戦略の策定を行い、適切な事業運営に努める。