経営の健全性・効率性について
収益的収支比率については、年々減少していたが、維持管理費等の経費節減により回復傾向にある。また、比率が100%未満のため収支が赤字であることを示しているので、今後は、法適化と公共下水道への繋ぎ込みを控えており、さらなる経費削減等を行い経営改善に努める必要がある。経費回収率については、使用料と正比例して汚水処理費も増加傾向にあるが、経年比較をすると、改善傾向にある。類似団体平均値と比較すると、平成24年度決算では同水準であったものの、平成28年度は需用費等の経費節減により平均値を上回った。汚水処理原価については、汚水処理費の増加に伴い類似団体平均値を上回っており、高い水準で推移している。また、経年比較をすると、需用費等の経費節減により平成24年度並みに減少した。施設利用率については、処理水量の変動も少なく、類似団体平均値と比較すると、高い水準で推移している。経年比較をすると、平成25年度までは増加傾向であったが、平成26年度以降は同水準で推移している。水洗化率については、類似団体平均値と比較すると、低い水準で推移していたが、最近アパート接続や新規加入に伴い増加したものの、転入転出の増減を繰り返している傾向がある。受益地についても開発等による増加が見込めない地域であり、区域内人口も減少傾向であるため、経営の健全化のためには公共下水道への繋ぎ込みが必要である。
老朽化の状況について
平成10年3月31日供用開始を行い、18年を経過している。管渠改善率については、平成10年度より、管渠の更新等は行っていないため、数値は計上されていないが、区域内の配管不明水調査委託を平成26年度に行い、定期的な管路清掃やマンホールポンプの清掃を行っている。維持管理費に比例した収入増が見込めない状況であるため、老朽化の対策として今後数年以内に近隣まで整備された公共下水道への繋ぎ込みを計画しているので、公共下水道区域として、広域化を行い長寿命化計画の策定に取り込んだ市全域の管路の改修等計画を策定するとともに、市民生活に大きな支障が出ないよう道路陥没後の老朽管路の改築といった事後的な対応にならない取り組みが急務となっている。
全体総括
平成5年度に地元住民を含め先進地視察研修を行い、平成6年度に地元同意、平成7年度に20haの認可を取得し平成7年度に、浄化センターの用地購入、平成8・9年度において管渠工事、平成9年度に浄化センター工事が終了し、平成10年3月31日供用開始を行い、18年を経過している。収益的収支比率において収支が赤字であり、経費削減等による経営改善に努める必要があるが、受益地の人口についても減少傾向である地域であり、水洗化率の増も見込めない区域で、経費回収率も100%に届かず低水準で推移している。市の汚水処理施設の維持管理費削減として農業集落排水事業は全ての比率についても減少傾向にあるので経営改善のためには、近隣まで整備された公共下水道への繋ぎ込みを行い、早急に改善を行わなければならない。