経営の健全性・効率性について
平成17年4月に地方公営企業法を適用し、事業経営の健全化と経営基盤の強化を図っている。令和2年4月1日に農業・漁業集落排水事業を公共下水道事業に統合し、1事業で運営している。経常収支比率は100%を上回っているものの、純利益は大幅に減少したため財政計画に基づいて経費節減に努める必要がある。流動比率は、全国・類似団体平均を上回り、昨年度から改善している。企業債残高対事業規模比率は、低い水準で良い傾向にあるが、施設や老朽管等の更新に伴う企業債の借入により比率が高くなる可能性があるため、今後は注視する必要がある。令和3年10月に下水道使用料の改定(平均改定率9.394%)を行ったことにより、経費回収率は適正な水準となった。しかし、汚水処理費の増加によって汚水処理原価が昨年度より増加しているため、経費の節減とともに、定期的な施設更新によって有収水量の増加に努める必要がある。施設利用率は農業・漁業集落排水事業との統合に伴って昨年度に引き続き改善している。下水道整備区域の拡大と水洗化の推進により、水洗化率は高い数値で推移しており、類似団体平均よりも良好な数値となっている。
老朽化の状況について
法定耐用年数を超えた老朽管等はないものの、平成2年度の供用開始後30年以上が経過していることから、有形固定資産減価償却率が増加傾向にあるため、ストックマネジメント計画に基づく効率的な管更生や施設の更新を行う必要がある。
全体総括
各指標ともに全国・類似団体平均と比較しても概ね良好な経営状況にあると考えられる。しかし、使用料収入の減少や老朽化した管渠等の修繕や更新費用の増加によって経常収支比率は大きく減少しているため、更なる経費節減に努める必要がある。今後も各種経営指標の推移に着目し、適切かつ効率的な事業経営を継続していくものである。