経営の健全性・効率性について
本事業は、市内5施設を対象としており、収益的収支比率は100%に近いものの、経費回収率は、類似団体平均値よりも低い52.73%となっており、使用料で回収できない費用を一般会計からの繰入金で賄っている状況である。人件費や委託料などの費用削減の取組を進めた結果、経費回収率は改善傾向にあるものの、更なる経営改善に向けた取組が必要である。令和2年度から使用料を改定して、適正な使用料収入の確保に努めることとしている。企業債残高対事業規模比率については、地方債残高は、610,974担となっている。償還は令和14年度まで続くため、しばらくはこの状態が継続すると見込まれる。これに関連し、使用料水準の適切性については、三豊市では農業集落排水事業と漁業集落排水事業を同一会計で経営しているため、漁業集落排水事業を含めて考えていく必要がある。汚水処理原価については、費用抑制により前年度より抑えることができたものの、接続率向上による有収水量の増加を図る必要がある。
老朽化の状況について
施設は平成5年に供用開始を行った潟満地区を筆頭に平成15年に供用開始した大見地区まで5施設が稼働しているが、供用開始後15~25年を経過し、管渠及び施設・機器等の老朽化が進行している。今後は、平成22年度に行った機能診断調査及び最適整備構想に基づいた、長寿命化更新工事を実施して、更新費用の平準化を図っていく。平成30年度は大浜地区施設にて機能強化事業に取り組んだ。令和元年度も同様に実施予定である。
全体総括
平成30年度決算及び今後の見通しについて、費用面で経営に影響を与える要因は少ないものと考えるが、経営の健全性及び効率性のより一層の向上のため、施設利用率の更なる向上に努力し、機械設備の高機能化を図り、維持管理費の削減についても適宜行っていく。また、管渠及び施設の更新は機能強化事業等の補助制度を活用して、更新費用の平準化を図れるよう対応していくことにより、本事業の経営を持続可能なものとしていく。令和元年度は、平成28年度に策定した経営戦略(平成28年度~令和7年度)を改定する。また令和2年度からは、地域での使用料の価格差を是正するため、農業集落排水・漁業集落排水・特定地域生活排水処理の3事業間での使用料の改定(統一)を図り、経営の安定化に努めていく。