地域において担っている役割
県より認知症疾患医療センターの指定を受け、充実した支援体制による専門的診断、治療やこころのケアを行っている。また、講演会やイベントを通じて認知症への理解・予防・対応、また患者やその家族等への理解を深めるための認知症施策を進めている。精神病床においては、在宅や施設での対応が困難な認知症患者に対して一時的入院治療を提供し、患者が住み慣れた地域での在宅復帰を支援し、地域の認知症治療の中核医療施設となっている。
経営の健全性・効率性について
平成18年度から三豊・観音寺市医師会との指定管理制度を導入し、現在、利用料金制となっている。経常収支比率は100%を超えて黒字で、医業収支比率もほぼ100%超えで推移しており、類似病院平均よりは高い。これに伴い累積欠損金比率も該当数値なしという結果になっている。入院患者単価は類似病院平均を下回っているが、病床利用率は、毎年ほぼ100%を維持し、外来患者単価については平均より高い。また、職員給与費対医業収益比率については類似病院を上回っており、職員配置が適正か検討するとともに、材料費を抑えるなど、支出削減等の経営努力により収益性を確保している状況にある。
老朽化の状況について
建物は、建築後30年以上経過し老朽化が進行しており、患者の療養環境の整備が必要な状況となっている。また、医療機器等についても、機械備品減価償却率が85%を超えており、医療水準の維持・向上を図るため、耐用年数を大幅に過ぎた機器の更新等の整備が必要となってきている。将来にわたって病院事業を継続していくためには、施設設備の再整備のための中長期的な投資・財政計画が必要である。
全体総括
現在、収支は黒字で経営自体に問題はない。しかし、固定資産投資が行われていない状況を考慮すると、今後、多額の施設・設備投資費用の発生が見込まれるため、病院事業全体として厳しい経営状況となることが予想される。地域に必要な医療を提供するために、引き続き指定管理者制度による管理、運営を行い、指定管理者とさらなる連携を図り、経営の効率化、収支の効率化に取り組む。また、新公立病院改革プランについて、すでにプランは策定しているが、令和3年度に改定を予定しており香川県地域医療構想を踏まえ、西部構想区域内の機能分化と連携促進に向けての医療提供等ができるよう、新改革プランへ見直しを行っていきたい。