経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、120.16%と類似団体や全国平均を上回っており、健全な経営状況である。平成25年度は、排水処理施設の撤去など資産減耗費が多くかかったため、例年に比べ低い数値となっている。③流動比率は502.14%と類似団体、全国平均を大きく上回っている。短期的な支払い能力を表す指標であり、200%を超えていれば大きな問題はないとされる。④企業債残高対給水収益比率は類似団体、全国平均を大きく下回っており、企業債への依存度は他団体より低いといえる。⑤料金回収率も100%を上回っており、必要な収益は確保できている。これらのことから事業の安全性は、他団体と比較して高いものと考えられる。⑦施設利用率は類似団体、全国平均を下回っているものの、数値としては1%程度の差である。この指標は人口減少や節水技術の向上により需要が減少したこと等が要因で低下するため、全国的に減少傾向となっている。⑧有収率については、類似団体、全国平均を上回っている。この指標は100%に近ければ近いほど、無駄なく水を供給出来ているといえる。今後も100%に近づけるよう、漏水防止対策を進めていくことを目標とする。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、毎年1~2%数値が上昇しており、類似団体、全国平均を若干上回る48.53%となっている。この指標が高くなれば老朽化が進んでいるということであり、施設の修繕、更新に係る費用が大きくなる。②管路経年化率は全国平均を下回っているものの、平成27年度は類似団体を上回り、管路の老朽化が進んできているといえる。③管路更新率については、全国平均を若干下回るものの、類似団体と比べると更新率は高い。平成27年度は、中央監視設備工事などの管路以外の大きな工事があり、前年に比べ更新率は下がっている。①、②の指標の動きに注目しながら、今後の管路更新計画の見直しなど、効率的な投資計画を立てる必要がある。
全体総括
現状の経営成績、財政状態について大きな問題はく、良好な状態である。今後も経費節減など経営改善を行い、より一層の経営健全化に努める。一方、施設については他団体より老朽化が進んでおり、今後耐用年数を経過し更新時期を迎える施設の増加が見込まれる。給水収益が減少傾向にあるなど、限られた財源のなかで安定した事業運営を行うには、適切な施設規模を把握し、広域化、施設の統合、ダウンサイジングなどの検討を行っていく必要がある。