経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は105.54%で100%を上回っており全国平均及び類似団体平均値とほぼ同程度であり、単年度収支は黒字であるが、⑤経費回収比率は64.46%で100%を下回るとともに全国平均及び類似団体平均に比べかなり低い数値となっている。これは使用料で回収すべき経費を使用料で賄えていないだけでなく一般会計からの繰入金等に依存している状況であり、今後は繰入金等の縮減を図るために維持管理経費の削減と使用料収入の適正化を図る。③流動比率は、34.31%で100%を下回っており、全国平均及び類似団体平均値よりも低い数値で推移している。これは1年以内に現金化できる資産で1年以内に支払わなければならない負債を賄えていないことを表しており、使用料の適正化を図るとともに接続率向上に努める。④企業債残高対事業規模比率は、全国平均及び類似団体平均値を大きく上回る数値で推移している。今後必要な更新が増加することが予測されるため、計画的に投資を行い残高の抑制に努める。⑥汚水処理原価は類似団体平均値を下回る数値で推移している。⑦施設利用率及び⑨水洗化率は、類似団体内平均値を上回る数値で推移しているが、全国平均値を下回っているため、施設の有効活用と接続率の向上に努める。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は全国平均及び類似団体平均値を上回る数値で推移しており、法定耐用年数に近い資産が多いことを示している。管渠は法定耐用年数を経過していないため更新していないが、施設の老朽化対策が今後の重要な課題であるため、長寿命化計画及びストックマネジメント計画に基づき施設の延命化を図るとともに、計画的な更新を進める。
全体総括
公営企業を取り巻く環境は、人口減少等に伴う料金収入の減少や施設の老朽化、耐震化、耐水化に伴う施設の更新・改修需要の増加により厳しさを増している。本市は、令和元年度に浄化槽汚泥等投入事業及び下水道使用料の改定を見込んだ「吉野川市下水道経営戦略」を策定した。今後は戦略に基づき下水道使用料の改定に向けた作業を進め、将来にわたり持続可能で安定した経営基盤の確保に努める。