36:徳島県
>>>
阿南市
2023年度
2022年度
2021年度
2020年度
2019年度
2018年度
2017年度
2016年度
2015年度
2014年度
2013年度
平成20年度から財源不足団体となっており、平成30年度の財政力指数は前年度に比べ0.01ポイント悪化した。評価替えに伴う固定資産税の減収や、急速な高齢化等を背景とした社会保障関連経費の増大などにより、財政力は低下し続けている。今後、引き続き税の徴収強化等により歳入確保に努めるとともに、定員管理・給与の適正化、実施事業の取捨など歳出の見直しを行い、財政基盤の強化に努める。
平成30年度の経常収支比率は89.7%と前年度より1.2ポイント悪化した。歳入面では、普通交付税で減収がみられ、歳出面では、義務的経費が増加しており、特に人件費においては類似団体中の順位が著しく悪く、令和2年度以降は会計年度任用職員制度の導入による増加が予想されることから、業務の抜本的見直しによる改善が急務となっている。また、平成28年度以降、合併算定替の段階的縮減期間に入っていることから、経常一般財源収入の先行きに不安要素も多く、行財政改革による経常経費の削減と自主財源の更なる確保に努めなければならない。
人件費、物件費及び維持補修費の人口1人あたり決算額は、前年度より2,321円増となり、全国・県平均と比べ高くなっており、類似団体内の順位も極めて悪い。主な要因として、人件費でごみ収集業務を直営で行っているほか、保育所や学校給食等の民間委託が進んでいないためである。また、合併後の課題でもある類似公共施設の統廃合等が進んでおらず、老朽化による維持管理コストが増加する見通しである。今後は、公共施設等総合管理計画に基づき、全庁的に統廃合議論を活発化させるとともに、トップランナー方式で示された民間委託・指定管理者制度導入の検討を進め、管理コストの削減を図り、効率的な行財政運営に努める必要がある。
給料表上の引上げ率の相違や職員構成の変動により、指数が前年度と比較して0.2ポイント増加したものの、引き続き全国市平均以下の状況であり、今後も給料水準の適正化に努める必要がある。
市町合併により広大な行政面積を有し、保育所や学校教育施設等も多いことから、人口千人当たりの職員数については全国・県平均より高い状況である。今後も住民サービスの維持に配慮しつつ、少子高齢化、人口減少社会を見据えた組織の見直しを継続的に行いながら適切な定員管理を行っていくことが重要である。
前年度から比率の増減はなく、数値としては全国平均を下回る5.2%となり、類似団体平均を2.6ポイント下回った。合併後の大型事業は完了したが、その際借り入れした地方債の償還が始まっており、合併特例債の発行枠の枯渇も近いため、不要不急の事業を精査しつつ政策効果の高いものを採択し、市債発行を抑制するとともに、発行に当たっては交付税措置の手厚いものを取捨選択し、実質的な負担が増加しないよう努める必要がある。
充当可能財源等が将来負担額を上回っているため将来負担比率の値は生じていない。主な要因としては、財政調整基金をはじめとする充当可能基金が約175億円にのぼるほか、交付税措置の高い合併特例債を最優先に発行していることなどから、将来負担額が抑えられていると分析している。分母となる市税収入等では、立地企業の業績に大きな影響を受ける税収構造であることから、財源不足を安易に基金からの繰入金で賄うことのないよう日頃より徴収強化を図り、慎重な基金運用に努めるとともに、将来負担の増加の原因となる市債発行を財源とする投資事業については、採択過程において厳しく精査するなど堅実な財政運営に努めることが必要である。
人件費に係る経常収支比率は前年度比0.1ポイントの増となっており、全国・県平均を上回っている状況が続いている。今後も市民ニーズの多様化や地方分権に伴う権限移譲の進展等による業務量増加や、令和2年度以降においては会計年度任用職員制度の導入による人件費の増加も予測されることから、引き続き事務事業の合理化、効率化を多面的に検討しながら人件費の抑制に努める必要がある。
物件費に係る経常収支比率は15.7%と類似団体平均より1.2ポイント上回り、県平均に比べると3.1ポイント上回っている。主な理由として、ごみ収集業務や学校給食業務等を直営で行っていることなどから、臨時職員賃金等が多額となっているほか、公共施設の統廃合が進んでいないことで施設管理に要する経費が多額となっていることによる。早急にトップランナー方式で示されている民間委託等を検討し、公共施設等の管理経費の縮減に努める必要がある。
扶助費に係る経常収支比率は、7.9%と全国、県平均を下回っており、類似団体平均より2.7ポイント下回っているが、安心して子育てができるまちづくりを目指すため18歳までの医療費の無料化を行っていることや、障がい者福祉サービス関連経費、少子高齢化の進展による社会保障関連経費の増加が見込まれることから、各事業における受給権資格審査等において、更なる適正化を図る必要がある。
その他に係る経常収支比率は、類似団体平均を0.6ポイント上回っており、対前年度でも0.7ポイント悪化した。主な要因として、歳入において固定資産税等の経常的収入が減少したことであり、歳出でも繰出金で国民健康保険及び後期高齢者医療特別会計等において、高齢化等を背景に給付額が増加していることなどである。今後も引き続き、独立採算性の原則に鑑み、受益者負担の適正化や基準外繰出金の見直しに努める必要がある。
当市は、旧那賀川町及び旧羽ノ浦町と市町合併し、旧1市2町からの負担金で運営していた一部事務組合(消防・衛生)の業務を承継したため、類似団体平均より6.7ポイント下回っている一方、人件費や物件費の割合が高くなっている。市単独補助金等については、平成29年8月に「補助金等に関する基本方針」を策定し、各団体の収支状況等を精査した上で決定するほか、団体の統合、再編や補助の終期を設定するなど見直しを行うこととしている。
市債の発行を伴う事業の厳しい精査を行うとともに、高利残債の利率見直し交渉による利子負担の軽減を図っていることなどから公債費に係る経常収支比率は14.5%と類似団体平均より3.8ポイント下回った。しかし、公債費は約31億円となっており、公債費負担は依然として高い。今後は、合併特例債から本来の対象事業における地方債の発行へシフトしていくことや一般財源確保のために臨時財政対策債発行額の増加が見込まれることから、健全化判断比率の悪化に注意を払いながら、慎重な市債発行により堅実な財政運営に努める必要がある。
公債費以外の経常収支比率は、前年度と比較すると1.6ポイント悪化し、類似団体平均より1.3ポイント上回っている。主な要因として、歳入において合併算定替の縮減により普通交付税が減少したことであり、歳出では、人件費の経常収支比率で0.1ポイント悪化し、類似団体平均を大きく上回っているほか、物件費で臨時職員賃金や施設のランニングコストなどで0.7ポイントの悪化がみられた。今後も市税の徴収強化等により一般財源の安定的な確保に努める必要があり、特に人件費では、適正管理を徹底するほか、施設管理において、指定管理者制度の導入等による管理コストの軽減に努めることが重要である。
(増減理由)保育所など子育て支援施設等の事業及び運営に必要な資金として「阿南市輝く子どもの子育て応援に係る日亜化学工業基金」を約9千万円取り崩したことや、阿南医療センター整備補助事業等の大型事業や財源調整のため財政調整基金を16億円取り崩したこと等により、基金全体としては約6億7千万円の減となった。(今後の方針)新市まちづくり計画に掲げる事業に充てていくことを目的として、平成30年度に合併特例債を活用した基金である「輝けあなんふるさと創造基金」を造成した。老朽化した公共施設の更新に係る費用や義務的経費が増大していること、大幅な税収増が見込めないことから、基金全体の額は今後減少していく見込みである。
(増減理由)・大型の単独事業である阿南医療センター整備補助事業の実施に伴う取り崩し・普通交付税の合併算定替の段階的縮減による財源不足に伴う取り崩し(今後の方針)・老朽化施設の更新費用、扶助費等義務的経費などが年々増加することが見込まれるため、残高は減少していくことが想定される。・災害の備え等を考慮しつつ、必要事業をしゅん別し、効果的に取り崩し・積み立てを行う。
(増減理由)・基金運用から生ずる収益を約5百万円積み立てたことによる増加(今後の方針)・今後も市債の償還及び適正な管理に必要な財源を確保するため、計画的に積み立てる。
(基金の使途)・阿南市輝く子どもの子育て応援に係る日亜化学工業基金:保育所、幼稚園、認定こども園その他就学前児童及びその保護者が利用する子育て支援施設等の事業及び運営に必要な資金の財源に充てる・ふるさとづくり基金:「自ら考え自ら行う地域づくり」の意識をひろめ、魅力ある阿南市づくりを実践する気風を醸成し、阿南市の活性化及び地域の振興を推進する事業又は若人の海外における視察研修を助成する(増減理由)・輝けあなんふるさと創造基金:地域振興及び市民の一体感の醸成を図るために実施する事業の財源を確保し、前年度までに返済した額までの範囲内で、新市まちづくり計画に位置づけられた事業に充てるため、合併特例債を活用して10億円を積み立てて新たに基金を造成・阿南市輝く子どもの子育て応援に係る日亜化学工業基金:保育所、幼稚園、認定こども園その他就学前児童及びその保護者が利用する子育て支援施設等の事業及び運営に必要な資金の財源に充てるため、約9千万円を取り崩したことによる減(今後の方針)・阿南市公共用施設維持基金:発電用施設周辺地域整備法第7条の規定に基づく交付金により整備された公共用施設について、老朽化が進んでいることから修繕その他の維持補修に充てる予定。
有形固定資産減価償却率は類似団体、全国平均及び県平均を下回っているが、多数の公共施設が耐用年数を迎えつつある状況を踏まえ、平成29年3月に、平成29年度から令和8年度までの10年間を計画期間とする「阿南市公共施設等総合管理計画」を策定し、健全で持続可能な行政運営を行っていくため、計画的な施設の更新・維持に努めることとしている。
債務償還比率は類似団体及び全国平均を下回っているが、中央学校給食センター建設事業等により将来負担額が増加し、平成29年度と比べ102.5%上昇した。「第5次阿南市総合計画」の理念に沿って施策・事業の精査を行い、市債残高の抑制を図るなど、財政の健全化に努めていく。
将来負担比率及び有形固定資産減価償却率は類似団体と比べて低い数値となっているものの、耐用年数を迎える多数の施設の維持管理経費の増大が見込まれることや、老朽化した施設の改修・更新等により充当可能基金残高が減少することも想定されることから、平成29年3月に策定した「阿南市公共施設等総合管理計画」に沿って総合的かつ効率的な施設の維持管理、長寿命化及び統合等に取り組んでいく。
将来負担比率及び実質公債費比率は類似団体内平均より低い水準を保っているがいるが、将来への負担を軽減するため、実施事業の精査を行い、市債発行に当たっては交付税措置されるものを優先するなど、引き続き適切な財政運営に努めていく。