36:徳島県
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阿南市
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平成20年度から財源不足団体となっており、平成26年度の財政力指数は前年度に比べ0.01ポイント悪化した。法人市民税では、景気回復基調から市内大手企業の業績が改善し、増収となった一方で固定資産税(償却資産)で、それを上回る減価償却により大幅に減収となった。このように立地企業の業績による影響を大きく受ける税収構造となっていることから、定員管理、給与の適正化をはじめ、事務事業の徹底した見直しを行いつつ、市税等の徴収強化による自主財源の確保を図り、行政の効率化と堅実な財政運営に努める必要がある。
平成26年度の経常収支比率は84.2%と前年度より0.6ポイント悪化した。歳入面では、主に企業収益の改善を背景に法人市民税が増収になったほか、地方消費税交付金等が増収する一方、固定資産税(償却資産)で大幅な減収が見られた。歳出面では、国の要請による職員給の削減期間が終了し、人件費が増加したほか、新ごみ処理施設の本格稼働等で物件費が増加し、国民健康保険事業特別会計をはじめとする各会計への繰出金が高齢化等の進行により増加したためと分析している。人件費においては、類似団体中の順位が極めて悪いことから、業務の抜本的見直しの下、改善が必要と考える。また、今後は合併算定替の終了を控えるなど、不安要素も多く行財政改革による経常経費の削減と自主財源の更なる確保に努める必要がある。
人件費、物件費及び維持補修費の人口1人あたり決算額は、前年度より8,901円増となり、全国、県平均と比べ高くなっており、類似団体内の順位も極めて悪い。主な要因として、人件費でごみ収集業務を直営で行っているほか、保育所や学校給食等の民間委託が進んでいないためである。また、合併後の課題でもある類似公共施設の統廃合等が進んでおらず、老朽化による維持管理コストが増加する見通しである。今後は、公共施設等総合管理計画に基づき、全庁的に統廃合議論を活発化させ、民間委託へのシフト及び指定管理者制度導入を検討し、管理コストの削減を図り、効率的な行財政運営に努める必要がある。
定員適正化計画を上回る進捗状況で減員が進んでいるが、数次の市町村により成立したため、行政面積が広大で、保育所や学校教育施設等も多いことから、住民サービスの維持に配慮しつつ、適切な定員管理を行っていくことが重要である。
新市まちづくり計画に基づく大型事業の進行中であるが、事業採択過程における厳しい事業費の精査や原則として市債発行額を当該年度の償還元金以下に抑制するとともに高利残債の積極的な繰上償還を実行してきたことなどから全国、県平均を下回る7.0%となり、類似団体平均を1.8ポイント下回った。今後も財政年次別計画に基づき不要不急の事業を精査するとともに政策効果の高いものを採択し、市債発行を抑制するとともに発行に当たっては、交付税措置の手厚いものを採用して実質的な負担が増加しないよう努める必要がある。
充当可能財源等が将来負担額を上回っているため将来負担比率の値は生じていない。主な要因としては、財政調整基金をはじめとする充当可能基金が約245億円にのぼるほか、交付税措置の高い合併特例債を最優先に発行していることなどから、将来負担額が抑えられていると分析している。これまでも、市債残高が急増し、市民サービスの低下を招かぬよう注意を払いながら計画的な事業推進に努めてきたが、立地企業の業績に大きな影響を受ける税収構造であることから、景気悪化時における減収補てん策として、安易に財源不足を基金からの繰入金で賄うことのないよう日頃より徴収強化を図り、慎重な基金運用に努めるとともに将来負担の増加の原因となる、市債発行を財源とする投資事業については、採択過程において厳しく精査するなど堅実な財政運営に努めることが必要である。
人件費に係る経常収支比率は、前年度比0.5ポイント改善し、正規職員の減員は進んでいるが、雇用と年金との接続の関係とも相まって報酬額は増加することが予測される。今後は事務事業の効率化と簡素化を多面的に検討しながら、人件費の抑制に努める必要がある。
物件費に係る経常収支比率は14.3%と類似団体平均より0.3ポイント下回り、県平均に比べると3.0ポイント上回っている。主な理由として、新ごみ処理施設の本格稼働に係る委託料が増加しているほか、臨時職員賃金で人口1人あたり決算額が類似団体平均の約2倍を示していることなどから、施設管理の民間委託等が進んでいないことが露呈されている。今後は、公共施設等総合管理計画を踏まえ、効率的な公共施設の管理方法を本格的に検討し、事務事業の抜本的な見直しを行い、経費の削減に努める必要がある。
扶助費に係る経常収支比率は、7.6%と全国、県平均を下回っており、類似団体平均より2.5ポイント下回っているものの、生活保護費における人口1人あたり決算額では、51.9%上回っていることから、生活困窮者自立支援事業等により保護世帯数の減少に努めるほか、各種事業における受給権資格審査等において、更なる適正化を図り、今後も増加傾向にある扶助費の抑制に取り組む必要がある。
その他に係る経常収支比率(平成26年度の主なものは繰出金12.8%)は、類似団体平均を0.8ポイント下回っているものの対前年度では0.2ポイント悪化した。主な要因として繰出金で介護保険及び後期高齢者医療特別会計等において、高齢化等を背景に給付額は増加傾向となっているほか、公共下水道事業等に対する赤字補てん的な繰出金が増加する傾向にある。今後は、独立採算性の原則に鑑み、受益者負担の適正化や基準外繰出金の見直しに努める必要がある。
当市は、旧那賀川町及び旧羽ノ浦町と市町合併し、旧1市2町からの負担金で運営していた一部事務組合(消防・衛生)の業務を承継したため、類似団体平均より7.0ポイント下回っている一方、人件費や物件費の割合が高くなっている。市単独補助金等については、各団体の収支状況等を精査した上で決定するほか、団体の統合、再編を含め見直しを行う必要がある。
市債充当事業の精査及び決算収支(見込)と市債残高を見据えて十分に精査した上で臨時財政対策債の発行額を決定するほか、高利残債の繰上償還や利率見直し交渉による利子負担の軽減を図ったことなどから公債費に係る経常収支比率は14.9%と類似団体平均より2.6ポイント下回った。しかし、公債費は約32億円となっており、公債費負担は依然として高い。新市まちづくり計画を延長したことなどから合併特例債の増発や合併算定替終了後の財源不足を補うため臨時財政対策債を増発することも見込まれることから、慎重な市債発行により堅実な財政運営に努める必要がある。
公債費以外の経常収支比率は、類似団体平均より4.1ポイント下回っているものの前年度と比較すると1.8ポイント悪化している。主な要因として、人件費の経常収支比率でわずかに改善しているものの、類似団体平均を大きく上回っているほか、物件費で臨時職員賃金の増加や新ごみ処理施設の本格稼働から1.6ポイント悪化、その他性質においてもそれぞれ0.1ポイントから0.4ポイントの悪化が見られた。今後も市税の徴収強化等により一般財源の安定的な確保に努める必要があり、特に人件費では、適正管理を徹底するほか、施設管理において、指定管理者制度の導入等による管理コストの軽減に努めることが重要である。