経営の状況について
収益的収支比率及び、営業収支比率は前年度と同様に類似団体と比較して高い状況にある。令和2年度は運転開始から2年しか経過しておらず修繕費比率も数値があがらない。令和3年度からは、数日間運転を止めて、大規模点検を実施するため費用の上昇と、発電機会の時間の減少が起こる見込みである。また、令和4年度から一部の企業債の元金償還が始まり、公債費の増加も見込まれている。保守点検をしっかり行い計画通りの黒字経営が今後も続けられるように努力していきたい。
経営のリスクについて
風力発電会計は、売電収入が風況に左右されるため年間の風況に基づく売電収入計画と実績値は乖離がある。故障等による運転停止時間が発生する頻度を極力減らす努力を今後も継続していきたい。R2年度の施設利用率は、発電型式別でみると全国平均のおよそ2倍の25.9%発電することができた。点検等適切な管理・運営を行うことで更なる稼働率の向上を目指す。企業債残高対料金収入が全国平均と比べて高くなっているのは、建設事業に企業債を借入れており元金償還が始まったばかりであるためである。
全体総括
売電収入は、目標の93.7%であり、令和元年度の77%より数値が好転した。一般会計への繰出しも基金への積立も目標通りの実施できた。今後は、令和6年度からの法適用化に向けて準備を進めていく必要がある。営業開始からまだ年月が浅く資産の整理等は比較的進めやすくはあるが、法適用化に伴う経常支出の増加が気になるところである。令和2年度に策定した「上関町風力発電事業経営戦略」に基づき今後も安定した経営を目指す。