経営の健全性・効率性について
収益的収支比率及び経費回収率は、前年度と比較して低下し、汚水処理原価は前年度と比較して上昇しているが、これは、公営企業会計の適用に要する経費を計上したことにより費用が増となったことが主な要因である。経費回収率及び汚水処理原価いずれの数値も類似団体の水準に達していない状況であり、今後も継続的に経費節減に取り組んでいく必要がある。企業債残高対事業規模比率は、企業債残高は前年度と比較して増となったが、企業債残高に対しての一般会計負担額も増となったため前年度と同水準となっている。施設利用率と水洗化率は、全国平均及び類似団体を上回り概ね良好な状態と言えるが、水洗化率については、さらなる向上に努める必要がある。
老朽化の状況について
本事業は平成13年度から開始され、耐用年数を超えた施設(合併浄化槽)及び管渠等はなく、当面、改築更新は予定していない。いずれは、老朽化への対応が必要となるが、その際には計画的、効率的に更新投資を行う必要がある。
全体総括
本事業は、河川等の水質保全の必要性が高い地域において実施される事業であり、事業の性質上処理区域内人口は少なく、使用料収入は限定的であり、毎年度収入不足が生じているが、公共的利益という観点から、不足分を一般会計からの繰入金で補い事業運営を維持している。こうした状況の中、本事業においては、平成31年4月から地方公営企業法の財務規定を適用し、他の下水道事業と会計を一本化する予定としており、下水道会計全体で経営戦略を策定し、維持管理費の削減及び施設整備の促進による料金収入の増などの経営状況の改善に向けた取り組みを進めていく必要がある。