地域において担っている役割
豊平地域唯一の医療機関であり、地域住民のかかりつけ医としての役割がある。豊平地域の高齢化率は49.2%(平成30年3月末)であることからも、受診する患者層の多くが高齢者であり、整形外科的治療に加え、リハビリ機能を充実させることで寝たきり予防、介護予防に取り組んでいる。また、公共交通(バス)の乗継拠点であることや受診に際し近隣で買い物等を行うなど生活を支える拠点となっている。
経営の健全性・効率性について
一般会計からの所定外の繰入れにより経常収支比率は100%を超えているが、医業収支比率は60.8%であり平成28年度と比較し7.2%悪化となり健全経営には至っていない。病床利用率も平成26年度から4年連続で70%を下回っている。平成29年度は常勤医師4名となり、医業収益は上がったが、入院・外来患者1人当たり収益は下がった。給与費や経費が医業収益以上に上昇し経営を圧迫している。
老朽化の状況について
平成13年度新築移転から16年が経過しており、今後空調等大規模な修繕と、医療機器の更新が必要である。
全体総括
常勤内科医師の雇用や整形外科外来の充実により、地域の医療ニーズに対応した医療を提供してきたが、病床利用率は4年連続で70%を下回った。また、経営的にも平成28年度以上に厳しい状況になり、給与費及び経費の削減に取り組むとともに、収益の効率性に向けた取組が必要である。今後は、地域医療構想を踏まえ、地域の医療需要や人口推計、広域的な医療連携などの分析を行い、再編、ネットワーク化も含めた今後の病院運営の方向性を出す。