地域において担っている役割
採算性を求めることが困難である救急医療、周産期医療、小児医療を提供し、市民の健康保持と福祉の増進を図るとともに、予防医療の充実や、地域の医療機関や施設と連携し地域包括ケアを推進するなど、地域の中核病院として地域医療を確保します。
経営の健全性・効率性について
経常収益は前年度比べ10.4%増加したものの、経常費用が前年度比24.1%増加したことにより、経常収支比率が79.8%となりました。主な理由としては、平成30年の開院に向けて医療従事者の増員に伴う給与費、新病院開院に伴う旧病院建物と器械備品の一部について固定資産を除却する資産減耗費,病院建設に伴う控除対象外消費税等の増加によるものです。また、外来患者数は増加したものの、新病院への移動を見据えた入院抑制等により入院患者数が伸びず、病床利用率は70%を下回る結果となりました。(平成27年度以降,毎年70%を下回っている)患者1人1日当たり収益は入院、外来とも平均を下回っており、医療の質を高め1人当たりの収益を高める必要があります。なお,入院収益を改善するため平成30年度より
老朽化の状況について
昭和48年に建築された本館の老朽化に伴い、平成27年度から病院の建替工事に着手し、平成30年1月末に建物が完成,4月に開院しました。そのため,有形固定資産減価償却率が71.9%から13.1%へ大幅に減少しました。また,建替に伴い,医療備品の更新を進めたため機器備品減価償却率も68.5%から49.4%と減少しました。
全体総括
平成29年度は平成30年4月の新病院の開院に向けて、医療従事者の確保や設備投資の経費が増加したことにより、経常収支比率が100%を大きく下回り、厳しい経営状況となりました。今後も減価償却費の増加や,企業債の償還等により,この傾向はしばらく続く見込みです。このため、経費節減や医療の質の向上などの対策を講じるとともに、病床利用率の上昇及び,患者1人当たりの収益向上による収入増加に努めるなど,「市民病院改革プラン」を着実に実行し,早期の単年度黒字化を目指してまいります。