経営の健全性・効率性について
漁業集落排水事業は、農業集落排水、小規模集合排水事業と同一会計で運営を行っている。経営状況は他の集落排水事業と同様、使用料収入等の自主財源で維持管理経費を賄う事ができず、市債償還額の不足分をあわせた収支不足額を一般会計繰入金により措置することで収支均衡としている。①収益的収支比率は、58.48%と昨年度を0.33ポイント下回った。これは、経費中の公債費の増に加え、使用料収入が処理区域内の人口減少の影響もあり微減となったこと、比率の算定外となる資本費平準化債借入額が増加したこと等による。⑤経費回収率、⑥汚水処理原価は、維持管理経費の減により前年より改善しており、類似団体平均との比較においても上位の数値となっている。⑦施設利用率は、汚水処理量の減少により、昨年度から0.17ポイント下落し、類似団体平均を下回った。⑧水洗化率は89.19%と昨年度から1.08ポイント向上し、類似団体平均に比べ上位となっている。本事業は新設事業を平成23年度に終了しており、処理区域内の人口減少もあり、今後の大きな向上は見込めない状況であるが、引き続き未接続の解消に向け、接続促進に努めていく必要がある。
老朽化の状況について
本事業は、市内に11箇所の処理場があり、施設及び機器類の老朽化の状況に応じ、順次修繕、更新を行っている状況である。これらの施設の中には供用開始後30年を経過した施設もあり、今後の更新期を迎えるにあたって、将来にわたる更新コストの抑制、効率的な施設運営を行うため、ストックマネジメント計画の策定及び近隣施設との統廃合の検討を行い、計画的な更新、長寿命化を図っていく予定である。
全体総括
本事業は新設事業を終了し、維持管理主体の事業運営となっており、他の集落排水事業と同様、比較的小規模な施設が点在し、老朽化の進んでいる施設もあるため、経費の節減に努めながら、隣接する下水道施設との統廃合、施設の更新、長寿命化を進め、効率的な管理運営を図っていく必要がある。また、本事業は平成31年度に下水道事業、他の集落排水事業と共に企業会計に移行する予定である。移行後は、経営戦略の更新を早期に行い、財政状況や経営状況の的確な把握に努め、経営改善に生かす予定である。